
人前に立つのが苦手
私は幼少期の頃から人前に立つのが苦手で、音読の発表や、歌の発表、演劇、運動会といった、人前で何かをする時、緊張で立っていられなくなるタイプでした。人前で発表しないといけないような日には「学校休みたいな……」と思うことがしばしばありました。
昭和の声かけ
そんな私の不安を察してか、親や先生は声をかけてくれました。しかし、それは「気合いだ!」の一択でした。「気合いが足りない!」「気合いを入れろ!」「気合いで乗り切れ!」というものばかり。
当時は何とか乗り切っていましたが、気合いというよりも、時間が過ぎるのをじっと我慢していただけでした。
令和の声かけ
今、私にも孫ができ、孫の運動会を見学した時のことです。
たくさんの大人たちに囲まれて、いつもと違う雰囲気に泣き出す子もいるなか、保育園の先生が「みんな、今日はドキドキするよね。でもね、そのドキドキは、良いドキドキなんだよ」と、優しく寄り添っていました。「孫は大丈夫かしら……」と当時の自分に重ねて、私までドキドキしていましたが、こんなにも優しい言葉をかけてくれることに驚きました。それと同時に、「このドキドキは良いことなんだ」と、不安な気持ちが静かに消えていくのがわかりました。
体験者の声
それからも「これはね、良いドキドキなんだよ」という先生の優しい言葉を思い出して、昔の不安だらけだった自分を癒しているような、そんな感覚になっています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Emma.I
長年人事業務に携わり、働き続ける人々の本音や葛藤に触れてきたライター。
現在は仕事や自身の育児を通じて得た経験を元に、誰かの心に寄り添い、クスッと笑えるエピソードを執筆中。特に、女子中高出身者の視点やグローバル企業出身者の視点からの記事を得意とする。

