
久しぶりの連絡で知った、お互いの近況
高校時代からの友人Rとは、やり取りが途切れる時期もありましたが、思い出したように近況を報告し合う関係が続いていました。
数年前、LINEが届き「最近どうしてる?」と聞かれたので、「子どもを2人産んだよ」と伝えると、「えっ、結婚してたんだ!」と驚かれたのです。
あまりに長く連絡を取っていなかったため、結婚したことさえ伝わっていませんでした。
それでも、学生時代から嬉しいことも嫌なことも何でも話せる相手です。久しぶりのやり取りでも、昨日の続きのように会話が弾みました。
彼女は独身で婚活中でした。仕事や将来のことを話しながら、私は子育ての日々について伝え、「お互い頑張ろうね」と励まし合ったのです。
少しずつ増えていった“愚痴”
その後、RからのLINEは、共通の友人についての話題が増えていきました。
「お金持ちと結婚したみたい」「この前、こんな事を言われて腹が立った」
そんなメッセージと一緒に、SNSの投稿が送られてきます。
最初は「それは傷つくよね」と返していましたが、同じような内容が続くうちに、私は少しずつ違和感を覚えるようになったのです。
「そんなに嫌なら、距離を置けばいいのに」
「そんなことで怒るかな?」
「昔からこんなに、人のことを気にするタイプだったっけ?」
高校時代から知っているのに、なんだか変わってしまったように感じていました。
そしてある日、Rからの通知が表示された瞬間、私は思わず「ああ、またあの話かな」と気が重く感じたのです。
嫌いになったわけではありません。ただ、その頃の私は子どもの世話や仕事、家のことを回すだけで精一杯でした。
誰かへの不満や人間関係のモヤモヤに気持ちを向ける余裕がなく、「あとで返そう」と思ったまま返信しない日が続いていったのです。
Rから届いたLINEの言葉
そんなある日、彼女からメッセージが届きました。
「愚痴ばかりでごめんね、子育てで忙しいのに」
その言葉を見て、私は返信していなかったことに気づき、慌てて「こちらこそごめんね」と返しました。
そして、ふと思ったのです。
変わったのはRではなく、私のほうだったのかもしれない、と。
学生時代は、恋愛や友人関係の話題で何時間でも盛り上がっていました。誰かの愚痴を聞くことも、友達同士の大切な時間だった気がします。
でも出産後の私は、家族や仕事、自分の暮らしを整えることで頭がいっぱいです。
環境が変われば、大切にしたいことも、心地よい距離感も変わっていくのでしょう。
昔と同じ関係でいられなくても、お互いが無理をせず付き合える。それが今の私にとって、ちょうどいい距離なのかもしれない。そう思うと、少し気持ちが軽くなったのでした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

