
いつも忙しそうな友人
小学校高学年の長男から2歳の末っ子まで、男の子3人をワンオペで育てているママ友がいます。
毎日とにかくにぎやかな子どもたちに振り回されながらもパワフルに過ごしています。 私は以前から、「本当にすごいな」と尊敬していました。
一方で、旦那さんへの不満を聞くことも少なくありません。
「全然、協力してくれない」
そんな愚痴を聞くたびに、「少しでも、自分の時間が持てるといいんだけど……」と、気になっていました。
育児に追われる毎日を見ていたからこそ、彼女にはゆっくり休める時間が必要だと思っていたのです。
久しぶりの気分転換
そんなある日、彼女が嬉しそうに言いました。
「この前、久しぶりに気分転換してきたんだよね」
私はてっきり美容院やカフェ、買い物の話だと思いました。ところが話を聞き進めるうちに、予想が大きく外れていたことが分かったのです。
「スキマ時間で、仕事してきたの」
気分転換の話をしていたはずなのに、返ってきたのはまさかの“仕事”という答えでした。それだけでも意外だったのですが、さらに驚いたのは仕事内容です。
彼女が向かった先は、以前働いていた保育の現場。保育士資格をいかし、短時間だけ勤務してきたというのです。
男の子3人の育児だけでも大変そうに見えていたので、その選択に思わず目を丸くしました。
子どもから離れたいわけじゃない
「家で子どもの相手をしているのに、どうしてまた保育なの?」
そう尋ねると、彼女は笑いながら答えました。
「自分の子どもだと、つい“こうしてほしい”って思っちゃうんだよね」
確かにその通りです。家では食事や寝る時間、兄弟げんかへの対応など、毎日の生活を回していかなければなりません。 思うようにいかないと焦ったり、イライラしたりすることもあります。
一方で保育園では、園のルールや流れに沿って子どもたちと関わります。
「園では、家みたいに『早くして』『ちゃんとして』って焦ることもなくて、純粋に子どもたちと関われるのが楽しいんだよね 」
その言葉がとても印象に残りました。
筆者の見解
私はずっと、彼女に必要なのは休息だと思っていました。ひとりでのんびりしたり、何も考えずに過ごしたりする時間こそが気分転換になるのだと考えていたのです。
けれど実際は違いました。
彼女が求めていたのは、育児から完全に離れることではなく、別の立場で子どもと関わる時間だったのです。
その人にとって何が心地よく何が元気の源になるのかは、外からは分からないものなのかもしれません。
ママ友の話を聞いて、自分では想像もしなかった方法に救われる人もいるのだと知り、少し視野が広がった出来事でした。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


