筆者が東京への旅行中、駅のベンチから立ち上がれなくなってしまったとき、思いがけない出来事が起こりました。
画像: 駅で「あ、意識が遠のく」倒れかけた私に「どうぞ」見知らぬ人がくれたものに、人生を救われた話

旅行に夢中

東京へ遊びに行った時のことです。
慣れない電車移動に加え、駅は広くて、いつもよりたくさん歩いていました。
その日は気温も高く、気づけば背中や首元まで汗でびっしょり。
持っていたペットボトルの飲み物も途中で飲み切ってしまいましたが「さっき飲んだから大丈夫だろう」と考え、そのまま移動を続けていたのです。
観光や買い物に夢中になっていたこともあり、自分が思っている以上に体力を消耗していることに気づいていませんでした。

体に異変が

乗り換え駅に到着した頃でした。
階段を上ったあたりから、視界の端がぼやけて、目の前がチカチカする感覚がありました。
少しふらつきもあり、とりあえず近くのベンチへ腰を下ろしたのです。

ところが数分たっても体は思うように動きません。
近くには自販機が見えているのに、そこまで歩く気力が湧かないのです。
電車の到着を知らせるアナウンスや行き交う人の足音を聞きながら、私はベンチに座ったまま。
「少し休めば大丈夫」そう思っていたのです。

差し出されたもの

どれくらい時間が経ったでしょうか。
ふと顔を上げると、近くで待ち合わせをしていたらしい男性がこちらを見ていました。
目が合ったその男性は私の様子に気づいたのか、近づいてきて「どうぞ」と飲み物を差し出してくれたのです。

突然のことで驚きました。
でも、その時の私には断る余裕もありませんでした。
お礼を言って受け取り、少しずつ飲むと、体の力が戻ってくるような感覚がありました。
しばらくすると立ち上がれるまでに回復し、自販機まで歩いて追加の飲み物を買うことができたのです。
改めてお礼を伝えると、男性は軽く会釈をしただけで、そのまま立ち去っていきました。

忘れない

あの日の男性がどこの誰だったのか、今も分かりません。
それでも、見知らぬ私を気にかけてくれた親切は強く記憶に残っています。

それ以来、出かける時には予備の飲み物を持ち歩くようになりました。
自分が困らないためでもありますが、もし目の前に体調を崩している人がいたら、今度は私が手を差し伸べられるかもしれないと思うようになったからです。

駅のベンチでもらった一本の飲み物。
見知らぬ人の優しさは、私の行動を少し変えてくれました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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