大人にとって使いやすい仕組みが、子どもにとっても使いやすいとは限らない──。
今回は、筆者の友人の体験談をお届けします。
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毎日怒ってばかりだった私

「また散らかってるじゃない!」
「使ったら片付けてって言ったよね?」

毎日のように、私はリビングで子どもたちに向かって声を荒らげていました。

原因は、使ったおもちゃを片付けてくれないこと。
SNSで見つけた収納術を試し、おしゃれなケースやラベルもたくさん購入しましたが、現実は変わりません。

片付けたそばからおもちゃが散乱し、そのたびに私は「こんなに工夫しているのに、なぜ片付けてくれないの?」とイライラを募らせていました。

衝撃の「子どもの目線」

そんなある日、私の愚痴を聞いていた夫がぽつりと言いました。
「一回、子どもの目線で見てみたら?」

半信半疑で床に座り込み、いつも遊んでいる子どもの目線の高さでリビングを見回してみた私は、言葉を失いました。

私が「出しやすいはず」とこだわった棚は、子どもには高すぎて中身すら見えていません。
美しい配置を優先したおもちゃは奥まっていて、子どもの手では取り出すのが至難の業。

大人目線では整って見えていた収納が、子どもにとっては使いにくく、不便だらけだったのです。

本当に変えるべきだったのは

翌日、私は子どもたちに聞きました。
「これ、使いにくかった?」

すると少し考えてから、気まずそうに「うん。どこに何があるか分かりにくいかも……」と答えてくれました。

その言葉にハッとしました。

私はずっと「片付けさせること」ばかり考えていました。でも実際には、使う本人たちのことをほとんど考えられていなかったのです。

子どもが片付けないのではなく、片付けにくい環境を作っていたのは私だったのかもしれません。

子ども目線の仕組みづくり

それから私は、収納ルールを根本から見直すことにしました。

重い箱は下段へ移動し、細かい仕切りはやめて大きなボックスに放り込む「ポイポイ収納」へ。
ラベルもオシャレな文字から、一目で分かる大きな文字と写真へ変更。

すると、以前よりも子どもたちが自分で片付ける場面が増え、「自分でできるよ!」と言う姿も見られるようになったのです。

もちろん今でもリビングが散らかる日はあります。
でも、以前のように目くじらを立てて怒鳴ることはほとんどなくなりました。

子どもの行動を変えようとする前に、環境や仕組みを見直してみること。
あの日、床に座って見えた景色は、収納だけでなく私自身の考え方まで変えてくれたような気がしています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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