子どものわがままは習慣になってほしくないものですが、わがままの裏には他の理由が潜んでいることも──。筆者の体験談をご紹介します。
画像: 息子の「コンビニ行く!」というワガママは、サインだった。『本当に欲しいもの』は、お菓子じゃなくて

不機嫌な帰り道

年長の息子は、保育園の帰りに機嫌の悪い日がありました。

特に、「今日はママと一緒にいたい」と半べそで登園した日は、帰り道になると決まって「コンビニ行きたい!」と言い出すのです。

家の近くにはコンビニがあり、そこを通るたびに立ち止まっては「お菓子買いたい」と訴えます。

私は以前から、「コンビニに寄ることが当たり前になってほしくない」と考えていました。

そのため、

「おうちに、お菓子あるよ」
「今日は買わないよ」

と伝えていたのです。

ところが、断れば断るほど息子は不機嫌になり、泣き出してしまうこともありました。

守りたかったこと

正直に言うと、そのやり取りは負担でした。仕事を終えて保育園へ迎えに行き、早く帰宅して夕飯の準備もしなければなりません。

そんな中で毎回同じやり取りが続くと、ついイライラしてしまいます。

「ここで買ってしまったら、また、ねだるようになるかもしれない」
「欲しいと言えば買ってもらえる、と思われたくない」

とも考えていました。

だからこそ、できるだけ応じないようにしていたのです。

育児書の影響で

そんなある日、読んでいた育児書の一文が目に留まりました。

「子どものわがままは、“何を言ったか”ではなく、“なぜ言ったか”を見る」

その言葉を読んだとき、私はハッとしました。

息子は本当にお菓子が欲しいのでしょうか。

もしかしたら、保育園で頑張ったことや、ママと離れて寂しかった気持ちを受け止めてほしいだけなのかもしれない──そう思ったのです。

本当に欲しかったのは

次に「コンビニ行きたい!」と言われた日、「今日は特別だよ」と声をかけ、一緒にお店へ入りました。

とても嬉しそうな息子。ところが、家に帰ってから私は意外な光景を目にしました。

あれだけ欲しがっていたお菓子を「あとで食べる」と言って、その日は食べなかったのです。

その姿を見て、私はようやく気づきました。

彼が本当に欲しかったのは、お菓子そのものではなく「自分の気持ちを受け止めてもらえた」という安心感だったのです。

体験者の声

それ以来、私は「ダメ」と言う前に「この子は今、何を求めているんだろう」と考えるようになりました。

もちろん、何でも言う通りにするわけではありません。

それでも、言葉の奥にある気持ちに目を向けることで、私自身も少しラクになりました。

以前は行動ばかりを見ていましたが、今はその背景にある「思い」にも、目を向けたいと考えています。

子どものわがままだと思っていた出来事が、親子の気持ちを見つめ直すきっかけになったのでした。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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