今回は、友人の職場で起きた驚きの出来事です。
何気ない雑談の中で見た光景に、その場にいた全員が思わず顔を見合わせました。
本人たちは隠していたつもりだったのかもしれませんが──。
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自然すぎて

私の職場は、先輩後輩の垣根が低く、普段から和気あいあいとした雰囲気でした。
その日も業務終了後、数人で雑談をしていた時のこと。
「飲み物買ってこようか」
誰かがそう言うと、男性社員のAさんが立ち上がりました。

「俺行ってくるわ」
そう言った次の瞬間でした。
Aさんは隣にいた女性社員Cさんの胸ポケットへ自然に手を伸ばし、入退館カードをスッと抜き取ったのです。
あまりにも自然な動作だったため、私は一瞬何が起きたのかわかりませんでした。

広がる違和感

業務スペースへ入るには入退館カードが必要です。
おそらくAさんは、外回りから戻った際に自分のカードをバッグへしまったまま席へ置いてきたのでしょう。
カードを取りに戻るより、近くにあったCさんのカードを借りた方が早かったのかもしれません。
けれど気になったのは、カードを借りたことではありませんでした。

何も言わずにCさんの胸ポケットからカードを取り出したAさん。
そして、それを当たり前のように受け入れているCさん。
私は思わずCさんを見ましたが、驚いた様子もなく、そのまま会話を続けています。
向かいの席の同僚もAさんとCさんを見ていました。
何人かが顔を上げ、二人の様子を目で追っていたのです。

顔を見合わせ

しばらくしてAさんが戻ってきました。
買ってきた飲み物を配り終えると、Aさんは何事もなかったようにCさんの胸ポケットへカードを戻します。
その動作もまた自然でした。
カードを返す動作にためらいはなく、Cさんも自然に受け取っていて、私は隣の同僚と顔を見合わせました。

「あ、この二人って……」
誰かが口にしたわけではありません。
私だけでなく、周囲も同じことを感じていたようでした。

やっぱりね

それからしばらくして、AさんとCさんは結婚を発表。
その報告を聞いた瞬間、私はあの日の出来事を思い出しました。

「あの時、絶対そうだと思ったんだよね」
後になって雑談メンバーの間でも、そんな話で盛り上がったのです。

あの日のやり取りを見た時から、私はどこか納得していました。
後になって結婚の報告を聞いた時も、驚きより「やっぱりね」という気持ちの方が大きかったのです。
親しい人同士の『自然な距離感』は、周囲には意外と伝わっているものなのかもしれないと感じた出来事です。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年6月】

※本記事内の画像はイメージです。実在の人物・製品・ブランドとは関係ありません。
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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