筆者友人A子から聞いた話。理不尽な環境でも手を抜かずにいれば、見ていてくれる人は必ずいる——そのことを、静かに教えてくれた出来事でした。
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「使えないわね」が、口癖だった

A子が派遣会社から営業部に派遣されて、3年が経っていました。

職場のベテラン上司・Bさんは、何かにつけてA子にこう言いました。

「あなたって本当に使えないわね」

大きなミスをしたわけでも、仕事をさぼったわけでもありません。
ただ、Bさんのやり方とA子のやり方が違うだけで、その一言が飛んでくるのです。
最初こそ深く落ち込んでいたA子ですが、次第に諦めの方が大きくなっていきました。
「この人にどう思われても、仕事さえこなせばいい」——そう自分に言い聞かせながら、毎日をやり過ごしていました。

それでも、A子は手を抜かなかった

A子は、どの派遣先でも、誰よりも早く出社して資料を整え、頼まれていない仕事まで先回りしてこなすような働き方をしていました。
上司への報告も的確で、取引先からのクレームを収めたこともあれば、新人の引き継ぎをほぼA子ひとりでやり切ったこともありました。
派遣先が変わってもBさんに何を言われても、その姿勢は変わらず、A子は仕事の質を落としませんでした。
彼女にとって、丁寧に仕事をすることは、自分自身を大切にすることと同じだったのです。

本社から、見知らぬ顔がやってきた

ある日、本社から「業務改善のヒアリング」のために担当者がやってきました。
Bさんは朝から張り切ってデスクを片づけ、資料を並べていました。

現れたのは、スーツ姿の40代くらいの男性。
会議室へ向かう途中、彼はふと、A子の顔を見て足を止めました。

「……もしかして、A子さんじゃないですか?」

5年前、別の会社で一緒に働いていた元上司でした。
まさか、こんな場所で再会するとは。

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