バスや電車で「席を譲る」という行為。頭では分かっていても、勇気がでなかったり、反応が怖かったりして躊躇(ちゅうちょ)してしまうことはありませんか? 筆者の知人A子も、ある日バスの中で小さな葛藤を経験したそうです。「良かれと思ってしたこと」が空回りしたとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。彼女の体験談をご紹介します。
画像: 「どうぞ、次で降りますから」席を譲った私、本当は3つ先だけど──咄嗟に『ウソをついた理由』

事務所を飛び出して

法律事務所で働く私は、仕事柄、裁判所と事務所を行き来する毎日。

移動はいつも市営バスです。

事務所に缶詰めではなく、外の空気に触れられるこの時間が密かな楽しみ。

バスに揺られ街を眺めるひとときは、慌ただしい業務の中で活力をチャージする大切な時間なのです。

優しさが空回りするとき

ある日、大きな紙袋を持った高齢の女性がバスに乗車してきました。買い物帰りなのでしょうか、両手には大きめの紙袋が握られています。

私は迷わず「よかったら、どうぞ」と声をかけました。しかし、返ってきたのは予想外の反応でした。

「結構です。私はまだ元気よ、そんなに年寄りに見えるかしら」

少しトゲのある言葉とともに、頑なに断られてしまったのです。

もちろん相手に悪気はなかったのかもしれません。けれど、「良かれ」と思ったことが裏目に出てしまった……。

それ以来、席を譲ろうとするたびに「また断られるのではないか」と、足がすくむようになってしまいました。

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