親として子どもを思う気持ちは、子どもがいくつになっても変わらないもの。でもその想いが、時には“重荷”になってしまうこともあるようです。
今回は、筆者の叔母から聞いたエピソードをご紹介します。
画像: 息子を“支えている”つもりが──「お母さん、もうやめてほしい」指摘された『私の癖』にドキリ

息子にアドバイスしたくなるのは母心

叔母は長年、息子さんを一生懸命育ててきました。息子さんが社会人になり、結婚して家庭を持った今でも、「母親としての責任感」が抜けず、つい生活や仕事のことで口を出してしまうことがあったそうです。

「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」「それって大丈夫なの?」

そんなふうに何気なく伝えていたアドバイス。息子のためを思ってのことでしたが、ある日ふと、息子さんが静かにこう言ったのです。

息子の言葉にドキリ

「お母さん、もう自分の人生を歩んでいるから、あまり口を出さないでほしい」

その一言に、叔母はハッとしました。自分では“支えている”つもりだったけれど、それはもう大人になった息子にとっては“干渉”に近かったのかもしれない——。

実際、息子さんは仕事でも家庭でもしっかりと自分の考えで決断しており、それに水を差すような形になっていたことに気づいたのです。

「支える」と「見守る」の違い

「私は、母親としての役目を果たそうとしすぎていたのかもしれない」

そう思った叔母は、それ以来、自分の関わり方を少しずつ見直すことに。口を出すのではなく、そっと見守る。意見を言うのではなく、信じて任せる。

最初は少し寂しさもあったようですが、「息子が自分の人生を歩く姿を見守るのも、母親としての新しい形かもしれない」と前向きに捉えるようになったそうです。

少しずつ、変わっていく親子関係

しばらくして、息子さんが何気なくこんなことを言ったそうです。
「母さんが少しずつ俺を信じてくれるようになったのが嬉しいよ」
その一言に、胸がじんわりと温かくなった叔母。親としての愛情は変わらないけれど、その伝え方は時と共に変わっていく。それを実感した瞬間でした。

今では、必要なときにだけそっと手を差し伸べる関係に。心の距離は以前より近くなったと感じるそうです。
子どもが大人になっていく中で、親もまた成長していく。そんなことを教えてくれた、心に残るエピソードでした。

【体験者:60代・女性パート主婦、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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