友人Aの話です。
玄関別の二世帯住宅で義母と暮らすA。
ある三連休、義母の体調不良をきっかけに「夫婦の温度差」を痛感する出来事がありました。
「助け合い」の形は、思っていたより一方通行なのかもしれない──そう感じたのです。
画像: 「自分の親のことでしょ?」義母の急な受診で動いたのは私。帰宅後の『夫の発言』に感じた小さな失望

義母の体調不良と、頼られたのはA

三連休の初日、義母が体調を崩しました。
命の心配はないものの、不安そうな様子で「月曜に病院へ連れて行ってほしい」とAに連絡があったのです。
月曜は祝日で、かかりつけ医が救急当番なので行きたいという義母に、Aは「じゃあ夫にお願いしよう」と話をまとめました。

Aも少し風邪気味で月曜日の体調がわからなかったため、夫に動いてもらおうと思っていたのです。
義母も「それがいいね」と頷き、ようやく安心した様子を見せていました。

予定変更で、結局Aが動くことに

ところが翌日、日曜の午後になって義母から電話がありました。
「やっぱり今日、病院行こうと思うの」

突然の依頼に少し焦りながら夫を見ると、帰省した家族と昼からお酒を飲んでいて運転できない状態。
「無理やな」と言われ、結局Aが車を出すことに。

義母を乗せて病院へ向かいながら、Aの胸にはモヤモヤが広がっていきました。
車窓の外では、三連休らしい人の流れ。
そんな中、自分だけが急に現実に引き戻されたような気がしたのです。

帰宅後の夫に、静かな落胆

診察を終えて薬を受け取り、ようやく帰宅したのは夕方。
義母は落ち着きを取り戻し、Aも少し安心しました。

けれど、リビングでは夫がスマホを見ながら「おかえり」と一言。
義母の様子を尋ねることもなく、普段どおりくつろぐ姿に、Aは小さく息をのみました。
「私が動くのはいい。でも……自分の親のことだよ?」
その瞬間、胸の奥にそっと重さが落ちたのです。

「支える側」ばかりが気づいている関係は

助け合うのが家族。
何かあればきっとAが動いてくれるから大丈夫と思っているのかもしれません。

けれど、「お願いする」だけじゃなく、「気にかける」気持ちも見せてほしい。
もっと責任感と気遣いを持って、向き合ってほしい。

義母の付き添いもA、夫に報告するのもA。
支える側ばかりが「気づいている」関係は、いつか疲れてしまうものだから。
いつかそのことに、夫自身が気づいてくれたらと思います。

【体験者:50代・女性主婦、回答時期:2025年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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