孫の存在は特別です。自分の子どもとは違う可愛さがありますが、自分自身の状態によっては感じ方が変わるのかもしれません。筆者にも孫が生まれ『おばあちゃん』になりました。そこで母の言葉の意味を知ることになったのです。
画像: 生前の母の「孫は来るも良し、帰るも良し」は本当だった。時を経て理解した『祖母という立場の真実』

おばあちゃん

私の母はとにかく子どもが大好きな人でした。
私たち姉妹には厳しいところもありましたが、孫が生まれてからは、本当に『目に入れても痛くない』という可愛がり方をし、孫ファーストの『おばあちゃん』に。

母は若い頃から体が弱く、何度も手術を経験し、通院も余儀なくされていました。
晩年も多くの病気に悩まされていましたが、孫のことには全力投球!
とにかく一生懸命面倒を見てくれていたのです。

そんな母が他界してそろそろ7年。
私の息子にも子どもが生まれ、私も母と同じ『おばあちゃん』の立場になりました。

息子夫婦は共働きのため、我が家に顔を出すのは週末か連休です。
2歳と1歳の孫を連れてきてくれるのですが、とにかく大騒ぎになります。
孫は可愛くて、会えるのはとても嬉しいのですが、50代半ばにもなると、小さい子の相手は非常に疲れるのです……。

当然ですが、お嫁さんにも気を遣います。
近くに住んでいるため泊まることはありませんが、孫たちが来ると私はヘトヘトに疲れていました。

母の言葉

先日も我が家に遊びに来た息子家族。
その日はみんなで食事をしたのですが、孫たちがぐずりだし、食べてすぐに帰宅することになりました。

山のようなの洗い物を一人でしていたとき、私はふと母が生前言っていた言葉を思い出したのです。

「孫は来るも良し、帰るも良しって言うわよね♪」

そのときは「そうかな?」という感じでしたが、今自分が同じ立場になって、母の言っていた本当の意味が分かったと思いました。

襲来

私は今、がんの治療中ということもあり、あまり体調がすぐれません。
母も当時複数のがんの治療をしていたため、立場的には同じです。

孫可愛さが優先されて、帰った後に体調を崩してしまうことも……。
自分の状況を考えると、少しだけ『襲来』という言葉を使いたくなるほど、週末や連休が怖いなと感じています(笑)

母は本当のところ、どっちだったのでしょう。
「来るも良し、帰るも良し」とは言い得て妙だなと実感している今日この頃です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文学科を卒業しOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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