テーマパーク帰りの深夜手前、筆者の友人・由香さん(仮名)一家がタクシーに乗車。疲れ切った体を休めていると、車は明らかに違う方向へ。運転手に声をかけたその瞬間、返ってきた言葉に背筋が凍りました。
画像: タクシー運転手が、行き先を【忘れた】?「あの、どこへ──?」「はっ?」その直後、まさかの異変が!

ヘトヘトの帰路

由香さんは 連休を利用して、家族で人気のテーマパークを訪れていました。

時間ギリギリまで遊び尽くし、夜9時を過ぎたころ、くたくたの状態で新幹線を降ります。

駅前のタクシー乗り場に向かうと、そこには予想以上の行列が。

ようやく自分たちの順番になり、タクシーに乗り込みました。

目的地を伝えて、静かに座席にもたれかかります。

「さすがに疲れたね。あとちょっとで家だよ」

小学生の息子の疲れを気にかけながら、疲れ切った身体をシートに預けました。

家までのひとときをしばし休もうとしていたとき——。

ふと窓の外を見ると、見慣れた風景とは、どうも違っていたのです。

いったいどこへ向かうの?

「あの、そろそろ曲がりませんか?」

夫が声をかけました。

すると、運転手から返ってきたのは思いがけない一言。

「あのー、いきさき、どこで……?」

「はっ?」

思わず耳を疑う返答でした。

すでに走行15分、自宅ならとっくに着く距離なのに道は逸れ、メーターだけがどんどん上がっている。

怒りと同時に不安がよぎります。

後部座席から バックミラーを覗きこむと、運転手の目がうつろ。

運転手の口がパクパクと

夫が再び声をかけようとしたその瞬間、運転手の口がパクパクと動き出したのです。

「どうしました? いったん車寄せましょう!」

由香さんが促し、夫が「寄せて!」と大声で指示しました。

ようやく停車し、夫が後部座席から急いでサイドブレーキを引く。

半年前に義父が脳梗塞を起こした経験があったため、すぐに異常に気づいたのです。

救急車を呼び、運転手は搬送されました。

命を救った、あのときの判断

乗り換えた別のタクシーでようやく帰宅したのは夜11時。

家族全員ぐったりで、さすがに疲労感です。

翌日のスケジュールは急きょキャンセル。

しかし後日、タクシー会社からお詫びとお礼の連絡が入りました。

あのときの判断が運転手の命を救ったそうです。

「まさか、あんなことになるなんて」

楽しかったはずの旅行の帰り道が、命を預かる緊迫の時間に変わった夜。

由香さんたち一家の冷静な対応が、運転手の命をつないだのです。

【体験者:40代・女性/会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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