筆者の体験談です。
昇進面談で副社長に「判断に時間がかかる」と正直に伝えたところ、「悩みはすべて記録しなさい」と言われました。
その言葉が、迷いがちな自分を変えるきっかけになったのです。
画像: 副社長「悩みはすべて記録しなさい。そして──」決断力のなさに悩んでいた私への『忘れられないアドバイス』

昇進面談で感じた「自分の課題」

昇進面談の日。
面談相手は人事部長と副社長でした。
今までの実績などをひと通り聞かれた後、副社長から「仕事で注意していること」「苦手なことはなに?」と尋ねられたのです。

私は少し迷いながらも「判断に時間がかかることです」と答えました。
年下の上司たちが次々と的確な判断を下す姿を見るたびに、自分との違いを痛感していたのです。
「自分には決断力が足りない」と思い込んでいました。

思いがけないアドバイス

私の言葉を聞いた副社長は、静かにうなずいたあと、こう言いました。
「ノートを一冊作りなさい」
最初は意外に思いました。
決断力を鍛える方法として「記録する」という発想はなかったからです。

しかし副社長は続けました。
「思ったことは、きれいでなくてもいいから書き残しなさい。
書くことで整理ができ、振り返りもできるでしょう。
書いておけば、後から「どこでつまずいたか」が見えてくるはず。
考えを流さず残しておくことで、自分の思考の癖も発見できます。
また同じようなことが起こった時に参考にすることだってできる。
あいまいな記憶ではなく、記録に残しておくことが大切なのです。
悩んだことも失敗したことも、自分の糧になり成長につながりますよ」

ノートに書くことで見えた「自分の癖」

面談の翌日から、私は一冊のノートを持ち歩くようになりました。
仕事で迷ったときは、判断に時間がかかった理由を短く書き留め、思い浮かんだ解決策や問題点もその場で書き記すようにしました。

すると「同じような場面で悩む理由」や「考えが止まる瞬間のパターン」が少しずつ見えてきました。
一度立ち止まって振り返ることで、少しずつ冷静に物事を整理できるようになったのです。

「悩み」が成長の記録になった

気づけば、ノートは数冊に増えていました。
ページをめくると、落ち込んだ日も迷った日も、自分の成長の証として並んでいます。
苦楽をともにした戦友のように、ページを開くたびに励まされるノートたち。

あの面談の日にかけられた「悩みはすべて記録しなさい」という言葉は、今も私の支えです。
悩むことを恐れず、書くことで気持ちを整理する。
今ではそれが、自分を客観的に見つめ直すための大切な習慣になっています。

【体験者:50代・女性筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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