知人から聞いたお話です。知人の子どもは私立の幼稚園に通っているそうですが、担任の先生がどんどんやつれていってしまったそう。心配して声を掛けた知人に、先生が思わず漏らした一言があったようです。
画像: 夏休み明けから、どんどんやつれていく先生。個人面談で声を掛けると → 先生の目に涙があふれて!?

担任の先生

私には子どもが1人おり、幼稚園に通っています。担任は若い女性で、聞けばこの園に勤めて2年目のA先生でした。

新人ではあったものの、初めて担任を任されたことに大きな喜びと責任を感じていたようで、とても熱意にあふれていました。
全身全霊と言っていいほど子どもに真摯に向き合ってくれるA先生の姿に、私も親しみを感じ、陰ながら応援していました。

子どももA先生に懐き、帰宅後は楽しそうに園での出来事を話す毎日でした。

夏休み明けの異変

そんな中、園は夏休みに入りました。1ヶ月後、夏休みが明けて久しぶりに幼稚園に行くと、子どもを笑顔で出迎えるA先生の姿が。

しかしその笑顔は、以前のものよりも明らかに力がなく、心なしかやつれているようにも見えたのです。

「どうしたんだろう」と心配になりましたが、深く聞くのは失礼かと思い、そのまま過ごしていました。園は教育熱心な先生や保護者の方が多くいらっしゃいます。A先生も非常に真面目で、何事も完璧にこなそうとする人だと知っていたので、きっと夏休み中に持ち帰った業務や準備に追われて疲れているのかもしれない、と想像していました。

個人面談の機会が

それからさらに1ヶ月ほど経ったころ、個人面談がありました。
子どもの様子を話すA先生の姿は、以前にも増してやつれて見えました。

面談が終わるタイミングで、席を立った私に、A先生は申し訳なさそうに「至らない点が多くてすみません」と頭を下げました。その時、彼女の強い責任感と疲労を感じた私は、思わず言葉をかけました。
「A先生、最近少し痩せられたみたいですけど、体調は大丈夫ですか?」と尋ねました。

A先生は「え~、そうですか? あはは」と、ごまかしている様子だったので、あまり聞いてほしくないのかなと感じた私。

「初めての担任で、大変なこともたくさんあると思いますが、頑張ってくださいね」とだけ伝えました。

するとA先生は、何かを堪えるような表情を見せた後、顔を両手で覆い、わっと泣き始めたのです。
そして「すみません……負けちゃダメですね」と涙声で言い、その後もしばらく泣き止みませんでした。
その涙は、自分自身への悔しさであり、乗り越えようともがく若きプロの涙だと感じました。

応援の気持ちと学んだこと

A先生の苦労の背景には、教育熱心な園の高いレベル、新任の先生が直面する業務の厳しさ、そして何より「完璧にやり遂げたい」という彼女自身の真面目すぎる性格が重なっていたのでしょう。

でも、我が子はA先生が大好きで私も同じです。
「どうか自分を責めすぎず、心と体を大切にしながら、長く先生を続けてほしい」と、心の中で応援し続けています。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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