筆者の友人・アヤコさん(仮名)の保育園の申し込み結果は、10園すべて落選。復職できず、経済的にも体力的にも追い詰められていました。絶望の中、娘が見せた笑顔であることに気づきます。アヤコさんは夫に相談することに……。
画像: 保活で10園すべて落選。「私の人生、終わった」絶望の中、娘の『無邪気な行動』に涙がホロリ

10園全滅の絶望

アヤコさんはそろそろ育休が明けます。

ポストに保活の結果通知が届きました。

封筒を手にした瞬間、ドキドキが止まらない。

「どこか一つでもいいから……できれば家から近いところに」

祈るような気持ちで開封。

でも、現実は厳しかった。

10園すべて落選。

復職できない。経済的にも精神的にも追い詰められていきます。

「私の人生、終わった」

35歳での出産。体力的な不安を抱えながらの育児。30代ももうすぐ終わりという焦り。

保活への期待が大きかっただけに、落胆も深かったのです。

「まま、ぎゅー」

そんなある日、2歳の娘が駆け寄ってきました。

「まま、ぎゅー」「だっこよー」

短い腕を思いっきり広げて、にっこり笑顔。

アヤコさんは娘を抱きしめました。

温かくて、柔らかくて。

この笑顔、いつまで見られるんだろう。

気づけば涙がこぼれていました。

夫に相談すると「一年だけ、娘との時間を優先してみたら?」と背中を押してくれました。

在宅ワークで人生が変わった

その一年間、アヤコさんは在宅ワークのスキルを磨きました。

そしてフリーランスとして独立。

月収は会社員時代の2倍に。

自分のペースで働けることで、体力的にも心にも余裕が生まれました。

そして運命的な展開が。

ある日、役所から一通のお知らせが届きました。

年度途中の入園案内。

「えっ、本当に?」

アヤコさんは手紙を何度も読み返しました。娘が入園できる。

働き方を見直したことで、子どもの体調不良にも焦らなくなりました。

これが、アヤコさん家族のベストな形なのかもしれません。

絶望が幸せへの入口だった

保活失敗という絶望が、新しい働き方と家族の幸せを見つけるきっかけになりました。

あの時、全滅していなかったら。

今の働き方には出会えなかったかもしれません。

娘の「まま、ぎゅー」が教えてくれた、人生の転換点。

あの時の全滅通知が、私にとっては、実は一番の当たりクジだったのかもしれません。

【体験者:37歳・女性フリーランス、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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