定期的に通う歯医者で、診察中に必ず体に置かれる“ある物”について、長年違和感を抱いていた友人。ある日、意を決してスタッフに理由を尋ねると、意外な理由があって……? 友人が体験談を語ってくれました。
画像: 歯医者で「正直、やめてほしい」診察時の『不快感』→ 勇気を出して訴えたら、逆に感謝されたワケ

診察台で毎回感じる違和感

私は、定期的に通う歯医者さんでのある行為がずっと気がかりでした。
それは、診察台に横になると、治療中に使う器具を胸の上に置かれることです。

タオルを一枚挟んでいるとはいえ、鎖骨の下、ちょうど平らになる胸の上あたり。男性も女性も、子どもも、誰に対しても同じように置かれていました。

「これって普通なの?」「私だけが気にしすぎ?」私はずっと違和感を抱いていました。
身体のパーソナルな部分に触れられているような、なんだか落ち着かない気持ち。医療行為とはいえ、個人的な感覚としては、正直あまり心地よくはありませんでした。

勇気を出して尋ねて判明した「驚きの理由」

ある日、勇気を出して歯科衛生士さんに尋ねてみました。

すると返ってきたのは、拍子抜けするような、でも納得の答えでした。

「実は、手元に治療器具を置くスペースが限られていて……胸の上が一番近くて安定するんです」

なるほど、器具が落ちないように、かつ手早く使うための合理的な理由があったとは!

医療従事者の効率を考えれば納得できる面はできます。しかし、長年抱えてきたモヤモヤはすぐには消えません。

やはり人の胸の上に器具を置かれるのは、私にとっては、合理性だけでは割り切れない「不快感」が残る行為でした。

歯科衛生士さんの対応

あるとき、小学生の息子が診察を受けた際も、同じように胸にタオル、その上に器具が置かれていました。

息子はまったく気にせず、寝転んだまま見られるタブレットの動画に夢中になっていました。

しかし、私は思い切って「実は正直、胸の上に器具を置かれるとちょっと気になります。もし可能であれば、別の場所に置いていただくことはできますか?」と伝えると、歯科衛生士さんはハッとした表情を見せ、すぐに「ご不快にさせて申し訳ありません」と謝ってくれました。

そしてその後の私の治療では、胸の上ではなく、横の台に器具を置くよう配慮してくれました。

「なんとなく嫌」を言葉にすることの大切さ

治療後、受付で会計を済ませるとき、歯科衛生士さんが、

「お声をいただけて、本当によかったです。他の患者さんも同じように感じていたかもしれませんし、私たちも患者さんのお気持ちをきちんと把握できていませんでした」

と言ってくれてホッとしました。
もし言わないまま「なんとなく嫌だ」と思いながら我慢し続けていたら、結局自分自身がストレスを抱え込むことになってしまっていたでしょう。

自分の気持ちを言葉にしたことで、私の不快感が解消されただけでなく、クリニック側にとっても、患者のニーズを知る貴重な機会となり、より良いサービスへと繋がったようです。

合理性だけでは割り切れない「自分の気持ち」を伝えることは、私たちの日常を心地よく、そしてより良い社会にしていくための、大切な第一歩だと気づいた出来事でした。

【体験者:40代・女性パート、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

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