筆者の話です。
高校卒業後に就職した私は、自分で貯金をして免許を取ろうと考えていました。
ところが親から「弟に出したから、あなたにも援助する」と声をかけられ、姉弟を同じように扱おうとするその思いに、親の愛情を感じた出来事です。
画像: 弟だけ援助された免許代。「私は社会人だから自分で稼ぐか」→ 親からの『思いがけない言葉』に胸アツ

社会人になった自分と弟の違い

高校を卒業した私は、地元の会社に就職。
最短一日で取れる原付免許だけ友人と一緒に取得し、毎日の通勤に使っていたので、普通自動車免許がないという不便はありませんでした。

それから2年後、弟は大学に進学。
高校卒業の頃、周囲では「教習所に通うのが当たり前」という雰囲気があり、弟もその流れに乗っていました。
学生だから費用は親が出したのだろうと考えましたが、その時は特に気にしていなかったのです。

自分で払うつもりだった免許費用

私は「社会人になったのだから、免許代くらいは自分で出すべき」と心に決めていました。
「免許を取ったら車も欲しいな」と思いながら、給料から少しずつ貯金。
友人が教習所へ通う姿を横目に、私は地道にお金をため続けました。

ようやく必要な金額がそろった時には、小さな誇らしささえ感じていたのです。
「よし、これで自分の力でやり遂げられる」そんな気持ちが胸にあふれていました。

親からの思いがけない言葉

ところが、いざ通う段取りを整えた時、親から思いがけない言葉をかけられました。
「教習所の費用、弟に出したから、あなたにも20万円出すよ」
社会人になった私にまで援助を申し出るなんて、と驚きました。

思わず「もう自分で払えるのに」と心の中で戸惑い、一度は断ったものの、親の思いは揺るぎませんでした。
姉弟を同じように見てくれていることがうれしくて、不意に胸が熱くなったのです。

親の優しさに気づいた瞬間

私は結局、親からの援助を受け入れ、自分の貯金と合わせて教習所に通いました。
社会人になって「もう大人だから」と線を引かれても不思議ではなかったのに、親はそうはしませんでした。
弟と同じように、私にも同じだけ手を差し伸べてくれたのです。

子どもとしての安心感が同時に胸に残りました。
姉弟を同じように扱おうとするその思いに、親の愛情を感じた出来事でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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