筆者の体験談です。
地方にある実家の近所では毎年「町内運動会」が行われています。
昔は筋肉痛になるほどハードでしたが、今は午前中だけの優しい競技に変わったそうです。
それでも「久しぶり」と声を掛け合う場は変わらず、形を変えて続くつながりに懐かしさを覚えました。
画像: 昔の“町内運動会”は熱狂的だったけど──少子高齢化で参加人数が減少。地域が繋いだ『令和の運動会』の形

町内運動会は一大イベント

私の実家は、昔ながらの地域行事が今も残る地方にあります。
なかでも「町内運動会」は一大イベント。
子どもから大人まで地区ごとにチームを組み、動ける人はみんな出場するのが毎年恒例です。

競技ごとにティッシュやラーメンなどの参加賞があり、みんなが楽しみにしている行事でした。
地元から離れた人が帰省して参加することもあり、地域の大きなイベントになっていたのです。

準備から体力勝負の種目まで

前日はテント張りや運動場の整備、当日は朝から準備に走り回ります。
競技ごとの道具の入れ替えや運営は、それぞれの地域から出ている役員が担っていました。

綱引きやリレー、玉入れといった体力勝負の種目が並び、翌日は全身が筋肉痛。
中には「休暇を取って備える」という人もいたほどです。
まだ若手だった私は一日中走り回り、数日はまともに動けませんでした。

少子高齢化で変わる競技内容

しかし近年は少子高齢化で人数も減り、競技内容も大きく変わったと聞きます。
今は午前中だけの軽いプログラムが中心で、参加するのは無理せず動ける範囲の人たち。
ゲートボールなど、高齢の人でも怪我なくできる競技を取り入れて、地域の人々が集まります。

会場には「元気だった?」と再会を喜ぶ声があふれ、久しぶりに顔を合わせる場として賑わっているようです。
普段あまり関わりのない人とも同じ係を担当したりして、そこで仲良くなることもありました。
形を変えても、運動会は地域の絆を深める時間として続いていたのです。

形を変えて続く地域のつながり

形は変わっても、人と人をつなぐ力はそのまま。
昔は全力で走り回った運動会が、今は無理なく参加できる温かな場に変わっていました。
年齢や立場が違っても、顔を合わせて笑い合う時間があること自体が宝物。

地域のつながりが細くなりつつある今だからこそ、運動会が続いていることがありがたく思えます。
その場に懐かしさと温かさを感じました。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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