子育てをしていると、他人の一言に思わず心が揺れることがあります。特に、正解のない育児では「これでいいのかな」と不安になる瞬間が多いもの。そんな中、筆者の知人A子は、夫のある一言に救われた出来事があったそうです。
画像: <ベビーフードはかわいそう?>スーパーで女性客から「突然のダメ出し」→ 夫の『絶妙な返し』に救われた

手作りより「食べてくれること」が大切

娘が1歳前後の頃。離乳食の手作りメニューをほとんど受け付けませんでした。どれだけ工夫しても、スプーンを押し返されるのです。頑張って作っても、ほぼほぼ食べずに、そのまま処分。はじめは気持ちもかなり滅入っていました。

しかし、市販のベビーフードなら、驚くほどパクパク食べる。

その姿を見ながら、複雑な気持ちにはなったものの「食べてくれることが一番大事」と自分を納得させるようにしました。

成長に必要な栄養をきちんと取れているなら、“それで良し”と思うようにしたのです。

突然かけられた心ない言葉

ある日、ショッピングモールでベビーフードをまとめ買いしていたとき、見知らぬ年配の女性に声をかけられました。

私のかごを覗き込んだ女性は、「小さいときから市販のものを食べさせてはダメよ。赤ちゃんがかわいそう」

いきなり浴びせられた言葉に胸がざわつきました。分かってはいるつもりでも、子どもを思う気持ちを否定されたようで、言い返すことができなかったのです。

夫のユーモアに救われた瞬間

すると、その場で立ちすくんでいる私の横で、夫が口を開きました。

「うちの娘、このベビーフードが大好きなんですよぉ。モリモリ食べるんです! ハッハッハ」

──あまりの軽やかな返しに、女性は「そ、そう」と言葉少なに、そのまま立ち去りました。

深刻になりそうな空気を笑いで切り替えてくれた夫の一言。
私は心から救われました。この瞬間、「この人がこの子の父親で良かった」とあらためて実感したのです。

支えてくれる存在がなによりの力に

子育てに正解はありません。女性も娘を思っての言葉だったのでしょう。

しかし、誰かの正しさが、自分の家庭にも当てはまるとは限りません。不安になる日もありますが、隣で支えてくれる存在がいることで、「これで良かったんだ」と思えるようになります。

完璧でなくても、夫婦で力を合わせながら子どもを育てていくことが、なにより大切なのだと気づかされた出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。

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