筆者の体験談です。
結婚する時にそろえた大切な嫁入り道具。
ところが「布団貸して」「テーブル壊れたから」と義実家に持ち出され、気づけばどんどん吸い取られていて──。
画像: 義実家に吸い取られていった【嫁入り道具たち】「布団貸して」「テーブル壊れたから」私に『残った思い』は

大切にしていた嫁入り道具

両親と一緒に何店舗も回って選んだ嫁入り道具は、転勤族の私にとって心の支えでした。
布団や家具は自分の家らしさを作ってくれるもの。
長く大切に使っていこうと決めていたのです。

両親が「これは長く使えるよ」「新生活にぴったりだね」と声をかけながら選んでくれた時間は、私にとってかけがえのない思い出。
結婚という大きな節目にそろえたからこそ、一つ一つの道具に特別な意味がありました。

新しい土地での暮らしは不安も多かったけれど、見慣れた食器や家具に囲まれるだけで心が落ち着き、「私の居場所」を作ってくれていると実感できたのです。

義実家からの「貸して」コール

ところが義実家から「布団貸して」と声がかかり、断れずに持っていくと返ってこないのです。
帰省のたびに押し入れに放り込まれた布団を見てげんなりしました。

長く使うつもりで、ときどき天日干しもして、手入れを欠かさなかったのに、義実家では放置されたまま。
自分の大切にしてきた気持ちごと踏みにじられたようで、胸が痛みました。
結婚して家族になったのだから、仕方ないのかもしれません。
でも、どうしても割り切れないモヤモヤが残りました。

戻らない“いい物”たち

諦めていると今度は「テーブル壊れたから」と別の要望。
しかも夫が勝手に「いいよ」と答えてしまい、私の気持ちは完全に置き去り。
味方になってくれると思っていた夫からも軽く受け流され、気づけば私の道具は次々と義実家に吸い取られていきました。

「持って帰るのは大変だろうだから」と、私たちの近所の量販店で義実家から安い新品を買ってもらえることもありました。
でも、貸した物とは比べものにならないほどの簡素な品。手元に残ったのは、見た目だけを埋め合わせたような安物ばかりになりました。
その一方で、義実家の家財には、私の“いい物”ばかりが並んでいきます。まるで、両親と選んだ思い出まで奪われたようで……。

複雑な気持ち

新品を渡されても、心は少しも晴れませんでした。
婚家も実家には違いないのかもしれません。でも、義実家に私の嫁入り道具が集まったとしても、安らげる場所にはなりません。
むしろ搾取されているような気がして、複雑な気持ちが募るばかりです。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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