「勉強しなさい」の一言が嫌で遊びに逃げた学生時代を送っていたA子。
でもある出来事をきっかけに、自分の人生と本気で向き合うことに。
そこで見えてきた父の本当の想いとは──。
今回は筆者の知人A子から聞いた、親子の絆にまつわるエピソードをご紹介します。
画像: 父の「勉強しろ」が嫌いだった。受験は失敗、大学も中退 → 再受験で気づいた『父の真意』にホロリ

「勉強しなさい」の言葉に反発

私は高校時代、父から、
「勉強しなさい」
と言われることがとにかく嫌で仕方ありませんでした。

毎日ガミガミ言われるたびに反発し、友達と遊んでばかり。

『勉強しなくたってなんとでも生きていけるでしょう』と当時は甘く捉えていたのです。

そんな高校生時代を過ごしたこともあってか、大学受験もことごとく失敗。

何とか滑り止めにしていた大学にギリギリ入れたものの、特に目標もなかった私。

友達と遊ぶことが生きがいとなってしまい、ダラダラ通った結果、単位をいくつ落としてしまいました。

その結果、通学する意欲もすっかり失ってしまい、2年で中退してしまったのです。

反省して再受験

そのときはさすがに父から大激怒されるだろうとビクビクしていた私。

でも、あれほどうるさかった父が、まったく怒ってこなかったのです。

「で、これからどうするつもりだ」
とただひと言だけ。

その問いに答えられないままの私を置いてリビングを出た父は、それから何も言わなくなりました......。

正直、態度が一変した父の姿が何よりも辛かったです。

そのおかげで、自分が今はなんの価値もない・何もできない人間だと気づいた私は、再受験を決意。

夜間のバイトをしながら、昼は図書館で猛勉強。

生まれて初めて本気で勉強に打ち込みました。

それから数年かかったものの、希望の大学に合格。
社会福祉士を目指し、今は現場で働いています。

父の想い

父にその報告をしたとき、
「やっと“A子らしく”なったな」
と、大学を中退して以来、初めて笑いかけてくれました。

「A子が幸せならそれでいい」
「よく頑張った」

昔はただ『うるさい』と思っていた父の言葉は、本当は“幸せになってほしい”という愛情だったのだと、今になって分かったのです。

感謝

“言われたくなかった言葉”が、人生を立て直すヒントになることもあります。

あの頃はただ反発していた、
「勉強しなさい」
という言葉も、今となっては感謝しかありません。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.