混雑するバスで誰も席を譲らないなか、ある一言が空気を変えました──。
“気まずさ”しかなかった車内で、片言の日本語がもたらした“優しさ”。
その瞬間、乗客たちの心にどんな変化が起こったのでしょうか?
今回は筆者の友人から聞いた、心温まるエピソードをご紹介します。
画像: 杖をついた女性が乗ってきても【誰も席を譲らないバス】→『カタコトの日本語』が“空気”を変えた瞬間

混雑するバス

観光地へ向かう路線バスは、午前中からとても混雑していました。

私はそのとき足を捻挫しており、病院に向かう途中。

偶然最後列に座れてホッとしていたのも束の間、次のバス停で杖をついた高齢の女性が乗ってきたのです。

どう見ても足が不自由そうで歩くのもやっと、という感じでしたが、座っている乗客は誰も席を譲ろうとしません。

優先席には明らかに元気そうな若者も座っていましたが、スマホに夢中の人、寝たふりをする人。

なんだか空気が冷たく感じて、私が席を譲ろうか迷っていると……。

外国人観光客

バスの中央あたりに座っていた、外国人旅行者らしき若い男性がサッと立ち、にこやかに
「ドウゾ、スワッテイイヨ」
と女性に声をかけたのです。

流暢ではないものの、はっきりと優しさのこもった日本語でした。

その温かい言葉に高齢女性も、
「ありがとうね~」
とほっとした笑顔で着席できました。

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