今回のお話は、筆者と友人が駅で体験した出来事についてです。
駅で、何やら不安そうなおじいさんを見かけたので、思わず友人が声をかけました。
画像: 駅で紙を手に呆然とするおじいさん。「困っているのかも」友人が声をかけると「実は、、、」意外な展開に

駅にある公衆電話の前で

以前、友人と駅の中を歩いていたときのことです。

その駅は改札を出たところに公衆電話があるのですが、その公衆電話の前に80歳くらいのおじいさんがいました。
おじいさんは片手にメモ用紙のような小さな紙を持ち、不安そうな顔つきで辺りをきょろきょろと見渡しています。

「どうしたんだろう、あのおじいさん……」と友人。「助けて欲しそうだね」と私が返すと、友人はおじいさんに声をかけに行きました。

「どうしました?」と友人が尋ねると、おじいさんは困ったように「いや、実は」と話し出しました。

県外から来たおじいさん

おじいさんの話によると、親戚に会うためはるか遠くの街から電車を乗り継いで来たそう。

その親戚とは改札の外で待ち合わせていたそうですが、改札が多い駅だったので、どの改札に親戚がいるのか分からず出会えていないとのこと。

「どうやって探せばいいのやら……他の親戚に連絡したいのですが、なぜかみんな繋がらないのです」と、おじいさんは手に持っていた紙を差し出しました。

紙には、びっしりと親戚の名前と電話番号が書かれていました。

「気が動転しておりまして、番号を打ち間違えているのかもしれません」と言うおじいさんに、友人は「私が代わりに電話をかけましょうか?」と申し出ました。

おじいさんが了承したので、友人はおじいさんが差し出した数枚の10円玉を使い、公衆電話から電話をかけ始めました。

ようやく電話が繋がる

紙に書いてある番号に、上から順にかけていきましたが留守電ばかり続きます。

8件目でようやく繋がり友人が事情を説明したところ、電話に出た方が待ち合わせている親戚に連絡を取ってくれることに。

私たちとおじいさんがいる場所を伝え、そこまで迎えに来てくれるようお願いしました。

20分ほどで、無事親戚の方が到着し「ありがとうございます! 助かりました」と頭を下げてくれました。
おじいさんも、「ご迷惑おかけしました」と言い、親戚の方と去っていきました。

知らない土地に行くのは大変だと、しみじみ実感

無事おじいさんが親戚と出会えたので、私と友人は一安心。

「知らない土地に行くのはそもそも大変。私たちはスマホで調べたり連絡取ったりするけど、使い慣れていないと難しい。あのおじいさんも不安だっただろうね」としみじみ語り合った私たちでした。

【体験者:30代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Junko.A
5歳、3歳、1歳の3人の子育てに奮闘しながら、フリーランスのライターとして活躍中。地方移住や結婚、スナックの仕事、そして3人の子育てと、さまざまな経験を通じて得た知見をライティングに活かしている。文章を書くことがもともと好きで、3人目の子どもを出産後に、ライターの仕事をスタート。自身の体験談や家族、ママ友からのエピソードを元に、姑に関するテーマを得意としている。また、フリーランスを目指す方へ向けた情報ブログを運営中。

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