これは筆者自身の体験です。2歳の息子を連れて買い物帰りに駅に着いたとき、エレベーターが工事中で使えませんでした。階段を前に途方に暮れていたところ、2人の高校生が声をかけてくれ、ベビーカーを運んでくれました。その優しさに心温まり、声をかける勇気の大切さを改めて感じた出来事です。
画像: エレベーターが故障。ベビーカーで途方に暮れる私に「あの、、、」【若者たちの優しさ】に救われた瞬間

息子と一緒に階段を上った日

息子が2歳の頃、まだベビーカーに乗っていたある日、私は買い物を終えて駅へ向かいました。すると、エレベーターが工事中で使えず、目の前には長い階段が立ちはだかっていました。抱っこひもは持っておらず、両手は買い物袋でいっぱい。どうしようかと階段の前で立ち尽くしていると、後ろから制服姿の高校生が2人、私の横を通り過ぎようとしました。

驚きの一言、優しさが心に響く

その2人は、ふと足を止めて私に声をかけてくれました。「ベビーカー、運びましょうか?」と、まだあどけなさの残る男の子が言ってくれたのです。驚きながらも、「大丈夫ですよ、重いですから」と答えた私。しかし彼はにっこりと笑い、「全然平気です!」と一言。もう一人の友達も「じゃあ前持ちますね」と、自然にベビーカーの前後を持ち上げてくれました。その間、息子は高い位置から見る景色に大興奮。「わぁー! たかい!」と嬉しそうに声を上げていました。

親切な心に救われた瞬間

私は後ろから買い物袋を持ったまま、2人の高校生の後ろをついていきました。無事に階段を上り切ったとき、「本当にありがとうございました」と頭を下げると、2人は笑顔で「いえいえ、気をつけて帰ってくださいね」と言って、足早に去っていきました。そのとき、胸がじんわりと温かくなりました。今の世の中、知らない人に声をかけるのをためらう空気がある中で、こんなにも迷いなく手を差し伸べてくれる若者たちがいる事に、心から救われた気持ちになったのです。

息子にも伝わった優しさ

家に帰ると、息子が「たのしかった!」と何度も話してくれました。あの高校生たちの優しさは、私だけでなく、息子にも“人に親切にするって気持ちがいい事”という小さな種を植えてくれたのだと思います。それ以来、駅や街中で困っている人を見かけると、私はあのときの高校生たちを思い出します。そして、ほんの一言「大丈夫ですか?」と声をかける勇気を持とうと心に決めました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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