まるで子どものころのように、大人になっても兄弟や姉妹の間で物の貸し借りをするのは特に珍しくないことです。しかし「貸して」と言われたものがとても高価なものだったり、大事なものだった場合にはやはり貸すのをためらってしまいますよね。今回は物の貸し借りでトラブルに発展した経験のある筆者の知人、Yさんのお話です。
画像: 免許とりたての義妹に無断で乗り回され、傷だらけにされた【私の軽自動車】修理代で『衝撃発言』が!

突然やってきた義妹

当時Yさんは旦那さんの実家で、旦那さんとお姑さんと小学生の娘の4人暮らし。フルタイムで働くYさんはお姑さんが娘の面倒をよく見てくれることに感謝しており。嫁姑関係は良好です。

そんなYさんは通勤で車を使うため、家族で乗る大きな車とは別に自分用の軽自動車を持っています。
小回りが利いて運転のしやすい車だったので、近場の買い物や姑の病院の送り迎えなどでもよく使っていました。

ある休日、Yさんの旦那さんは休日出勤で会社へ。Yさんと娘とお姑さんは家でのんびり過ごしていました。

するといきなり、近所に住む義妹が訪ねて来ました。Yさんはお姑さんとは仲が良かったものの、押しが強くていつも周囲を振り回すところのある義妹だけは少し苦手でした。
「あらあら、急にどうしたの?」
お姑さんが義妹に尋ねると、義妹は胸を張って答えました。
「私、運転免許とったの。だからYさんの車でちょっと練習させてよ!」

大事な車を勝手に貸されて……

義妹の言葉に、お姑さんもYさんも一瞬ぽかんとしてしまいました。なぜなら義妹の家にはちゃんと義妹の旦那さんの車があるからです。
「自分の家の車で練習したほうがいいんじゃない?」
Yさんがそう言うと、義妹はあきれたように答えました。
「うちの車は買ったばかりだし、高級車だから傷つけたくないのよ。私まだ初心者だし、擦ったりしたら修理代が大変じゃない。その点軽自動車なら擦ったって大したことないでしょ」
「え……」
勝手な義妹の発言にYさんは驚き、「傷をつけられる前提では貸せない」と言って断りました。

義妹はしつこく頼み込んできましたが、「保険の関係もあるから無理だよ」と伝えてその日は帰ってもらいました。

そしてその翌日。
「あれ、車がない!」
Yさんが買い物に行こうと車に乗ろうとすると、車のキーがなく、駐車場に車もありません。
「Yさんごめんなさい」
なんとお姑さんがあまりにしつこい義妹に根負けして、Yさんの許可なく義妹に車を貸してしまったというのです。

「車ありがとー、ごめんちょっと擦っちゃったわ」
しばらくして義妹が帰って来ましたが、車庫入れに失敗したのか、車のサイドミラーには擦ったような傷がついています。
「そんな」
「修理代はお兄ちゃんに頼んでいい? 傷も浅いし大丈夫でしょ」
けろっとした顔で言う義妹に、Yさんの我慢も限界。すぐに旦那さんに連絡すると、出かけていた旦那さんはもっと激怒して帰ってきました。

「勝手に乗っていくとは何事だ! もし誰かを怪我させていたらどうするつもりだったんだ!? 母さんも勝手に貸しちゃダメだろ」
旦那さんはお姑さんと義妹にきつく説教をし、2人に修理代を出させる約束をさせました。

その後事情を聞いた義妹の旦那さんから丁寧な謝罪と修理代が届き、車は元通りキレイな状態に戻ったそうです。

いくら義理の姉妹とはいえ、勝手に車を借りて、しかも傷つけるなんてもってのほかですよね。人のものを勝手に持ち出すのは、どんなに親しい間柄でも許されないのではないでしょうか。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.