「孫の顔が見たい!」という親の悪気ない一言が、独身の娘には重くのしかかることも──。
悩んだ末に伝えた本音が、思わぬ変化をもたらします。
今回は筆者の知人から聞いた、親子のすれ違いにまつわるエピソードをご紹介します。
画像: 35歳の私、母からの「早く結婚して孫を産め」圧がつらかった →『本音』を伝えた結果、母は

孫を要求する母

35歳を迎えたころ、とても大きな悩みを抱えていました。

それは、母からの“早く結婚しろ”“孫の顔を見せろ”というアピール。

当時は母と会うたびに、
「いい人と出会えたの?」
「そろそろ孫の顔が見たいなぁ」
とグサグサ言われていました。

母本人は、軽い冗談を装って言っていたようですが、独身の私にとっては、毎回胸に刺さる言葉でした……。

正直、私も結婚願望がないわけでも、子どもが欲しくないわけでもないのです。

特に子どもを授かるにはある程度の年齢的な上限もあるとは分かってはいました。

それでも当時はようやく軌道に乗ってきた仕事が楽しくて、まだ仕事に打ち込みたいという思いを捨てきれずにいたのです。

本音

とはいえ、母からの圧は止みません。

「早くしないと子ども産めなくなるよ」
「孫の顔を見せて親孝行してちょうだい」
とまで言われて、さすがに限界を迎えた私。

ある日、勇気を出して本音を打ち明けてみました。

「私の人生、子どもを産まないと価値がないのかな?」
「今は仕事や友達との時間も、すごく幸せだよ」

母の想い

母はとても驚いた様子でしたが、思わず涙が溢れた私を見て、
「そんなに思いつめていたのね、ごめんなさい」
と理解してくれました。

「結婚こそ幸せと勘違いしていたわ」
「あなたが幸せなら、それが一番よ」
「あなたらしくこれからも生きてくれればそれでいいの」

母からの優しい言葉にもっと涙が止まらなくなった私。

親は“親として考える子の幸せ”を願ってくれているのだとようやく気づけたのです。

だからこそ、私も“自分にとっての幸せ”をもっと早く、正直に伝えなければいけなかったのだと反省しました。

幸せ

その出来事から『自分で決めた人生を全うすることが、一番の幸せでもあるし親孝行にもなる』と思えるようになった私。

それからというものの、これまで以上に仕事に打ち込むようになり、母もそんな私を誇らしく思ってくれているようです。

これからも自分の幸せは自分で考え掴み取れるよう頑張っていきたいです。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。

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