筆者の話です。
高校時代、吹奏楽部で部長を務めていましたが、副部長との関係に悩み続けていました。
限界を迎え、親友に打ち明けた上で顧問の先生に「辞めたい」と涙ながらに伝えたことがあります。
けれど卒業後、その出来事が先生の鉄板ネタとなり、今もOB会で笑い話にされてしまうのです。
画像: 吹奏楽部を辞めたくて顧問に号泣した私。数年後 → OB会で顧問が放った言葉に「心がえぐられそう」

入部したのは、ほのぼのした吹奏楽部

高校から吹奏楽部に入りました。
楽器は未経験で、友人に勧められて決めたほど。
演奏が好きな人が集まる、ほのぼのした部活と聞いて入部を決めたのです。
強豪校ではありませんでしたが、仲間と楽しく活動する毎日でした。

やがて人数が増え、コンクールにも出場するようになり、部の空気は変化します。
『楽しむ部活から賞をめざす部活』へ。

3年生が引退したとき、投票で私が部長に選ばれました。
けれど、副部長は経験者で、それを快く思っていなかったようでした。

副部長との確執、心がすり減る日々

副部長はことあるごとに反対意見を出し、経験者の子たちを先導していました。
孤立感が強まる中で、私は次第に心がすり減っていきます。

当時は毎晩のように親友に「もう辞めたい」と打ち明けていました。
そして、ついに3年生に上がる春休み、顧問の先生のもとを訪ねました。
春休みで人気の少ない職員室。
顧問の前で号泣してしまい、退部を願い出たのです。

結局、顧問の「ちゃんと見守るから、もう一度頑張ってほしい」のひと言で退部は延期することに。
3年生の引退まで、部長を務めることができました。

OB会での『鉄板ネタ』

当時の出来事を知っていたのは、先生と親友だけで他の同級生も知りませんでした。
ところが卒業後、OB会に参加するようになると先生が必ずこの話を持ち出すのです。

「そういえば部長が辞めたいって泣きながら言いに来たよな~」

顧問にとっては印象的な出来事だったらしく、面白おかしく話し始めます。
その場は笑いが起き、場は盛り上がっていきます。
そして、原因となった元副部長がまるで自分のことではないかのように「誰それ~?」「誰が原因だったの?」と笑って聞いてくる。

私は毎回、苦笑いでやり過ごすか、必死で話題を切り替えるしかありませんでした。

思い出は人によって違う

泣かない私が職員室で涙した話。
先生にとっては盛り上がる鉄板ネタでも、私にとっては封印しておきたい過去なのです。

『それネタにしないで!』と心の中で叫びながら、毎回、笑顔でごまかしています。
思い出は人によって笑い話にも忘れたい記憶にもなるのだと、改めて感じる出来事でした。

【体験者:50代女性・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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