筆者の母が庭で何気なく育てていたミニトマト。
ある日、その赤く実ったトマトをきっかけに、近所の男の子たちとお手紙交換が始まりました。
やがて彼らは母の家に遊びに来るようになり、庭先は子どもたちの笑い声でにぎやかに。
小さなトマトが結んだ、世代を超えた温かい交流のエピソードです。
画像: 庭でミニトマトを育てていたら、ポストに手紙が! 80歳の母に「かわいいお友達」ができたワケ

ミニトマトと小さな訪問者たち

私は趣味として、庭でミニトマトを育てています。
ある日、近所に住む5歳と3歳の男の子兄弟が、お母さんと一緒に回覧板を届けにやってきました。

庭先の青いミニトマトを見た兄弟たちが「おばあちゃん、これなあに?」と興味津々に聞いてきました。
「ミニトマトよ。赤くなったら食べられるのよ」と伝えると、兄弟は「へー!」と目を輝かせていました。
そして「赤くなったら取りにおいでね」と声をかけたのです。

ポストに届いた小さな手紙

数日後、ポストを開けると、なんとその兄弟からお手紙が入っていました。
「トマトはあかくなりましたか?」
小さな文字で一生懸命書かれたその手紙に、思わず笑顔になりました。

そしてさらに数日後、ミニトマトがきれいな赤に色づいたタイミングで、お返事を書きました。
「トマトがあかくなりました。しゅうかくにきてください」
と書いた手紙を、兄弟の家のポストにそっと入れました。

ミニトマトの収穫

手紙を読んだ兄弟は、うれしそうに我が家を訪れ、一緒にミニトマトを収穫しました。
そして翌日、またポストに手紙が届きました。
「ミニトマトおいしかったです。ありがとう」
その丁寧なお礼の言葉に、心からあたたかい気持ちになりました。

そこからご縁が広がり、時々お茶会やランチ会をするようになりました。
最初は庭先での立ち話から始まり、気づけば季節の行事や日常のちょっとした出来事を分かち合う仲に。
家庭菜園の話や子どもの成長など、語り合う時間はあっという間に過ぎていきます。
今では家族ぐるみで交流が続き、生活の中に楽しみが増えました。

小さな実が運んだ大きなつながり

やがて兄弟のお宅でも家庭菜園が始まり、ナスやキュウリをいただくことも増えました。
小さな苗が育ち、実をつけるたびに「また今年もできましたよ」と声を掛けてもらえるのが、とても嬉しいのです。

たったひとことの「取りにおいでね」が、こんなあたたかな交流へとつながるとは思いもしませんでした。
小さなミニトマトの実が、家族同士の大きなつながりを運んでくれたと思っています。

【体験者:70代・女性主婦 回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒヤリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大下ユウ
歯科衛生士として長年活躍後、一般事務、そして子育てを経て再び歯科衛生士に復帰。その後、自身の経験を活かし、対人関係の仕事とは真逆の在宅ワークであるWebライターに挑戦。現在は、歯科・医療関係、占い、子育て、料理といった幅広いジャンルで、自身の経験や家族・友人へのヒアリングを通して、読者の心に響く記事を執筆中。

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