20年続けたパート先で、ずっと「我慢すること」が当たり前だった友人。言いたいことを飲み込み、強い人に合わせることで平和を保ってきたつもりでした。でも、ある日娘さんにかけられた一言で、友人の中で何かが大きく変わって……。友人が貴重な体験談を語ってくれました。
画像: 職場でナメられ続ける、パート歴20年の私。「お母さんさぁ、、、」娘がくれた【人生の教訓】にハッ

言い返せない私

私はどちらかといえば引っ込み思案な性格で、言い返すことが苦手。

パート先では、強い物言いをする人に何か言われても、「はい……」と笑って受け流すのがいつものパターンでした。

言い争いになって空気が悪くなるくらいなら、私が飲み込めば済む。そんなふうに思っていたけれど、気づけば「何も言い返さない人」として完全になめられていました。

強く出る人が残り、優しい人が去っていく。そんな職場の空気にも、どこかで慣れてしまっていたのです。

胸に刺さった娘のひと言

ある日、仕事で理不尽なことで怒鳴られ、帰宅後娘に愚痴をこぼしました。

すると、娘がピシャリと、

「お母さんもガツンと言わなきゃダメだよ。そういうの言われたら『それ、言い方きついです』って、ちゃんと伝えなきゃ。笑って流してたら、どんどん調子に乗られるよ」

と言われたのです。

その言葉に、胸がドクンとしました。私にないものを持っている娘。はっきり言える娘を、うらやましく思っていました。

でも、「お母さんもガツンと言わなきゃ」と言われたことで、なんだか背筋が伸びたのです。

私の口から出た“想定外”のひと言

数日後、いつものように仕事中、社員さんからかなり強めの言い方で責められました。

「これ、前にも言ったよね? なんでまた間違えるの?」

いつもなら謝って終わらせる場面だったけれど、そのときだけは違いました。

「すみません。でも、このやり方まだ教わっていません。私、今月初めてなので」

周囲が一瞬シンとしました。社員さんは少し表情を変え、「あ、そう? それは悪いね」とつぶやきました。

周囲の目が変わった日

言えた。私にも、言えた。

大げさかもしれないけれど、職場で初めて人に“はっきり伝えた”気がしました。

それ以来、職場の人たちの私への態度が少しだけ変わった気がします。この人は言うときは言うんだと、周りに認知されたのかもしれません。

声を上げることって、こんなに大事だったんだ。そう思えたのは、娘のおかげです。

【体験者:60代・女性パート、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

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