「なぜ子どもを送ってくれないんだ!」と怒りを見せたあの日の保護者。こちらの誠意を精一杯伝えたけれど伝わらず、心の中に残ったモヤモヤ。しかし月日が流れ、卒園後にその保護者が語ってくれた言葉によって、全てがふっと腑に落ちた――。日々に追われる保護者の気持ちと、保育園の役割の大切さを改めて感じた出来事を通して、誰かの心にそっと寄り添えるような、あたたかな気づきをお届けします。
画像: 閉園間際、保護者が「家の前まで子どもを送ってほしい」保育士が断ると激怒! 卒園後に『思わぬ展開』が

閉園間際の保護者からの電話がまさかの――「家の前に送ってくれませんか?」

ある日、保護者から一本の電話がありました。「どうしても迎えに間に合わないので、自宅前まで子どもを送ってもらえませんか?」という内容でした。

保育園外に子どもを連れだして、ましてや子どもを一人その場に残して、我々保育士は帰宅することなどできません。「どんなに遅くなってもかまわない。きちんと職員とともに安全に待っているので、保育園にお迎えに来てほしい」とお願いすることしかできませんでした。丁寧に説明はしたものの、保護者は電話越しに明らかに不満そうで、保育園の閉園時間を1時間以上過ぎて迎えに来た時も、「なぜ送らなかったのか」と怒りをあらわにされたのです。

私たちとしては子どもの安全を最優先にした判断でしたが、その保護者にとっては、想像以上に切羽詰まった状況だったのでしょう。その日を境に、その方との間に目に見えない壁のようなものができたように感じていました。

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