筆者の話です。
10年以上応援しているグループのコンサートでの出来事。
杖をつきながら慎重に歩いていたとき、信じられない行動を取る人に出会いました。
思い返すたび、胸にモヤモヤが残ります。
画像: 杖を使い歩く私。人混みで「邪魔!」杖を蹴られ絶句 → その後の“冷たい笑顔”に背筋が凍った瞬間

楽しみにしていたコンサートの日

私は10年以上応援しているグループがいて、コンサート期間中は行ける限り参加してきました。
数か月前からこの日を楽しみに、グッズの準備や当日の服装も考えていたほどです。

私は膝が悪く、長時間歩くときには支えとして杖を使っています。
バランスを崩すことがあるため、周囲に気を配りながら歩くのが常でした。

規制退場で人があふれる通路

ドーム公演では混雑を避けるために規制退場が行われます。
この日はアリーナ席だったため、退場は最後の方。
ようやく退場の順番が来て通路に出ると、人でいっぱいでした。

歓声や話し声が響き、熱気で空気も重いほど。
一歩進むのもやっとの状況で、私は杖が人の足に当たらないよう細心の注意を払いながら歩いていました。

突然の出来事と、冷たい笑顔

そのとき、横から「邪魔」と言われ、杖を蹴られたのです。
体勢を崩し、思わず転びそうになった私を、隣の友人がとっさに支えてくれました。
蹴られた方向を見ると、二人組の女性のうち一人がにやりと笑い、そのまま人を押し分けて前に進んでいったのです。

警備員も「押さないように」と注意を呼びかけていたのに……
私は何も言えず、なんとか態勢を整え、歩を進めました。
恐怖で胸がいっぱいになり、しばらく顔を上げられませんでした。
それでも、ライブの余韻まで壊されたくなくて、私は深呼吸をしながら気持ちを整えます。

残ったモヤモヤと小さな決意

その後、友人がそっと手を差し伸べ、折りたたんだ杖を持ってくれました。手をつなぎ、一歩ずつ歩を進めていき、30分ほどかけてようやくドームを後にしたのです。

確かに杖は邪魔だったかもしれません。
けれど、体調や年齢の問題は誰にでも訪れるものです。
好きなことを楽しむ気持ちまで否定されるのは、あまりにも悲しいと思いました。

杖を蹴ったあの人の顔は、今も忘れられません。
思い出すたびにモヤモヤが残りますが、これからは、あんな心ない人のことで気持ちを乱されず、自分の楽しみを大切にしようと決めています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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