今回は、知人のB子さんにお聞きしたエピソードをご紹介します。
育児と仕事に追われ、心の余裕を失っていたシングルマザーのB子さん。
ある日、娘の一言に胸を突かれ、ショックを受けてしまいます。
そんな彼女に手を差し伸べてくれたのは、同じ経験をしたママ友でした――。
画像: 「怒らないママがよかった」娘の一言に大ショック! シングルマザーの私を救ってくれた『ママ友の言葉』

シングルマザー、余裕のない日々

私は、ふたりの娘を育てるシングルマザーです。
父親の役割も担いながら、仕事に家事、育児、すべてひとりでこなす日々。
朝から晩まで休む暇はなく、気づけばいつも心がギリギリでした。

まだ幼い娘たちに優しく接したいのに、些細なことで怒ってしまう自分が嫌でたまりません。
「コップの中身をこぼした」「靴を揃えなかった」そんなことで、つい怒鳴ってしまう――。
大切に思っているのに、優しくできない。

こんな母親でいいのだろうか、と悩みながらも、誰にも相談できないまま、必死で毎日を乗り切っていたのです。

「怒らないママでいいなぁ……」

ある日、長女の幼稚園のお友達・Mちゃんの家にお邪魔した時のことです。

おやつの時間、Mちゃんがフォークをうっかり床に落としてしまいました。
Mちゃんのお母さんは「あら、やっちゃったね~。新しいの持ってきてあげるね」と、ふわりと微笑み、Mちゃんの頭を撫でます。

すると、うちの長女が驚いたように言ったのです。
「なんでMちゃんのママは、怒らないの!?」

「え? そんなことで怒られないよ」とMちゃん。

長女は目を丸くしながら、ポツリとつぶやきました。
「いいなあ、Mちゃんは……怒らないママで」

娘の言葉を聞いた瞬間、胸の奥がギュッと締めつけられました。
娘たちのことが、世界で一番大切なのに。
あなたたちを守るために、こんなに必死にやっているのに。
伝えたいのに、伝わらない。
こんなに余裕のない母親で、可哀想な思いをさせてしまっているんだ――。

悔しくて、娘に申し訳なくて、涙が止まりませんでした。

ずっと言えなかったSOS

そんな私に気づいたMちゃんのお母さんは、子どもたちを別の部屋に移して、そっと声をかけてくれました。
「気持ちわかるよ。B子さん、ひとりで本当によく頑張ってると思う。実は私も、離婚経験があるの」

初めて聞く事実でした。
Mちゃんのお母さんもまた、当時は今の私のように余裕がなかったと言います。
でもそんな時、周りに支えられて心が救われたと話してくれました。

「だから、今度は私がB子さんの力になりたい。全部自分で頑張ろうとしなくたっていいんだからね。あなたが潰れてしまったら、一番困るのは子どもたちなんだから」

優しい声に、張りつめていた気持ちがふっと緩んでいくようでした。
ずっと言えなかった「助けて」を初めて人に言えた気がしました。

それから彼女は、時々子どもたちを預かってくれたり、よく相談に乗ってくれるようになりました。
その支えがあったからこそ、私の心にも余裕と安心感が生まれ、娘たちに穏やかに接することができるようになれたのです。

人はひとりでは生きられない

今、娘たちはだいぶ大きくなり、私の心にもようやく余裕が出てきました。
振り返って思うのは、あの時、Mちゃんのママの共感や思いやりに、本当に救われたということ。

人はひとりでは生きていけません。
今度は自分が、誰かを支えられる人になりたい。そう、心から思っています。

【体験者:30代女性・フリーランス、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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