これは、筆者の知人のA子さんに聞いた話です。子どもを連れて電車に乗っていたA子さんは、静かに過ごしていたにもかかわらず、見知らぬ男性から心ない言葉を浴びせられます。言い返せず俯いたそのとき、そばにいた女子高生の意外な一言が、車内の空気を変えました。
画像: 電車内で「子連れは邪魔なんだよ」と暴言を吐かれ絶句 →「それって」女子高生の『静かな勇気』に「感謝」

ただ、乗っていただけなのに

その日、私は3歳の息子を連れて病院の帰りに電車に乗っていました。
息子は診察で疲れたのか、ぐずることもなく私の膝に寄りかかって静かにしていました。
ところが、斜め前に立っていた一人の男性が、急に声を荒らげてきたのです。
「子ども連れて電車に乗るなよ。ただでさえ邪魔なのに。親も親なら子も子だな」
息子は何もしていないのに……私は驚きと悔しさで言葉が出ず、ただ小さく頭を下げるしかありませんでした。

車内に走った、沈黙

その後、車内には沈黙が流れました。
男性はなおも文句をぶつぶつ言いながら、わざとらしくため息をついています。
私はただ降車駅まで耐えるつもりでした。
しかし、すぐ隣に座っていた女子高生が、そっと立ち上がってこう言ったのです。

女子高生の一言に、車内が静まった

「子連れが非常識なら、怒鳴ってるあなたも同じくらい非常識だと思いますけど」
一瞬、空気が凍りました。彼女は堂々とした声で続けます。
「お子さん、静かにしてましたよ? 迷惑かけてないのに、なんで怒鳴られるんですか?」
男性はバツが悪そうに目をそらし、その場を無言で去りました。

静かで、力強い勇気

私が小声で「ありがとう」と伝えると、彼女はニコッと笑って「気にしないでください。誰も何も言わないの、変だと思っただけです」と言ってくれました。
車内に乗っていた乗客は静かに頷き、優しく微笑んでくれました。
あのときの彼女の一言に、私はどれだけ救われたかわかりません。
勇気って、こんなにも静かで、でも力強いものなんだと心から感じました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

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