筆者の話です。
コールセンターに復帰した初日、声を張って電話に出たのに、相手の声が聞こえない。
あわてふためく私を見た同僚が、静かに“ある場所”を指差して──
画像: コールセンターで「もしもし、お客様!?」相手の声が聞こえない →『予想外の真相』に、同僚「笑った」

久しぶりの出勤初日、いきなりやらかした

インフルエンザにかかって1週間の休養。
体調は戻ったとはいえ、ブランクのある出社はやはり不安でした。

「えっと……何から準備してたっけ?」
久しぶりの出勤に、頭がうまく回らない。資料の置き場所も忘れていて、あちこちうろうろ。
電話機の接続を確認し、パソコンを立ち上げて、マニュアルを並べて。
慌てつつも、なんとか始業までにはセット完了。
気合いを入れてヘッドセットを用意し、1本目の着信に臨んだのです。

……って、あれ? 相手の声が聞こえない!

「お待たせしました! カスタマーセンター担当Gでございます!」
ところが、返答がありません。
「もしもし?」「お声が届いておりますでしょうか?」
繰り返し呼びかけるも、無音。

まさか、回線トラブル? 設定ミス?
頭の中が真っ白になりかけたそのとき、隣の席の同僚が、自分の通話を続けたまま、目を丸くしてこちらを凝視。
そして、無言で私の頭を指さしたのです。

まさかの事実に、穴があったら入りたかった

「え?」
と思わず触れた頭。
違和感に気づいてようやく悟りました。
ヘッドセット、つけてなかった……!
用意しただけで満足し、装着していませんでした。
しかも、コードの先は、イスの背にぶら下がったまま。
私は誰にも届かない声で、ひとり空中に向かって話しかけていたのです。

慌ててヘッドセットを装着すると、周囲のオペレーターたちが一斉にそっぽを向いて、笑いをこらえているのがわかりました。
あまりに恥ずかしくて、逃げ出したくなるいたたまれない気持ち。

復帰早々“伝説”を更新しました

なんとか平静を装って、
「大変お待たせいたしました。電波状態が悪かったようで、ご迷惑をおかけいたしました」
と、もう一度名乗り直し。

無事に通話を終えたあと、同僚からはさっそくツッコミが飛んできました。
「本当に今日、出勤して大丈夫だったの?」
「お願いだから、初日から笑わせないでよ〜!」
恥ずかしさとおかしさが入り混じって、赤面。

この日以来、私は「伝説のひとりごとオペレーター」と呼ばれるようになったのです。
空中に向かって話していたあの姿、思い出すたびに顔が熱くなります。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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