長く一緒に暮らしていても、ふとしたことで相手の知らない一面を垣間見ることってありますよね。小さな驚きや戸惑いが、やがて思いがけない気づきにつながることも。今回は筆者の友人が、夫とのエピソードを聞かせてくれました。
画像: 「え!?」夫の書斎から大量の『少女漫画』を発見! しかもふせんがびっしり。その【衝撃的な理由】とは

夫の書斎に潜む“秘密”

私の夫は、誰が見ても真面目な堅物タイプです。
書斎にずらりと並んでいるのは、難解なビジネス書や分厚い歴史小説ばかり。

ある日、夫の書斎を掃除していたときのことです。
本棚の隅に、見慣れない一角を見つけて、思わず息を呑みました。

そこには、キラキラした表紙の少女漫画が大量に並んでいたのです。

モヤモヤを抱える日々

恐る恐るその漫画を手に取ってみると、それは最近中学生の娘も夢中になっている、胸キュン全開の学園ラブストーリーでした。
しかも、どの巻にもびっしりとカラフルなふせんが貼られています。

「いったい、これはなに?」

最初は動揺を隠せませんでした。
でも問い詰める勇気が出ず、数日間は見なかったことにして過ごしました。

意外すぎる夫の真意

悩んだ末、意を決して夫に「書斎にあるあの漫画、一体なんなの?」と尋ねると、彼は少し照れくさそうに、けれど真剣な顔で話し始めました。

最近、思春期真っ只中の娘との会話がめっきり減り、それをずっと悩んでいたのだと。

そういえば、娘が小さい頃はよく一緒に遊んでいたのに、思春期に入った頃から「パパ、うざい」と言われることも増え、夫も少し寂しそうにしていました。

娘との距離を埋めようと、「まずは娘の好きなものを理解しよう」と考えた真面目な夫は、漫画を大人買いして必死に“勉強”していたのです……。

不器用な愛情

夫が見せてくれたふせんには、

「このセリフ、パパが言ったらキモいか?」
「主人公のこの気持ちが分からない……なぜこんなことを言うのか?」

など、不器用な父親の奮闘の跡が。

ふせんを貼りながら、一生懸命セリフの意味を考えたり、登場人物の気持ちをノートにメモしたりしていたそうです。
「なんとかして娘と話したい」──そんな不器用な決意に、思わず胸が熱くなりました。

数日後、夫が勇気を出して娘に「この漫画、面白いな」と話しかけると、最初は驚いた娘も少しずつ笑顔を見せるように。
「パパ、意外と分かってるじゃん」と言われたとき、夫はこっそりガッツポーズまでしていました。

父と娘の時間

“勉強”の甲斐もあり、今では夫と娘はその漫画の話題で盛り上がり、笑い合うこともずいぶん増えています。

堅物な夫が少女漫画を読んでいると思うと、ついクスッとしてしまいますが、父娘の穏やかな時間をそっと見守りたいものです。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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