大人になってから、親の愛情を改めて感じる方もいらっしゃるでしょう。
今回は筆者の友人A子さんの体験談をご紹介します。
画像: 反抗期で母にイライラ! 夜遊びを繰り返したヤンチャ時代に「母には一生勝てない」と思った瞬間

反抗期で毎日イライラ

母子家庭で育ったA子さんのお話です。
A子さんの反抗期は酷く、とにかく母に対してイライラが募っていました。
母の言葉を無視し続け、無茶なことや夜遊びをし、何度も警察に補導されたほどです。

その都度頭を下げる母を見て、「情けない」とすら思っていました。

別れるなんて耐えられない!毎日泣き続けていると

そんなヤンチャなA子さんでしたが、恋愛に関しては純粋な乙女。
当時は本気で結婚したいと思っていたほど、大好きでたまらない彼氏がいたのですが……。

付き合って半年ほどでフラれてしまい、まさに意気消沈。
毎日泣いて、眠れない夜が続きました。

ある日も眠れず、夜中に台所へ向かったA子さん。
たまたまトイレに起きてきた母と、バッチリ目が合いました。
A子さんは無視して部屋へ戻ろうしましたが、突然、母に呼び止められたのです。

それから母は、台所でゴソゴソと何かし始めて……。

温かいココアを渡されて、思わず涙が

母から手渡されたのは、温かいココアでした。
「真夏にこんなのいらねぇよ!」
戸惑いながらも、A子さんの口からつい出た言葉。でも……。

「あんた疲れてるのよ。これ飲んだらゆっくり寝な」

そんな笑顔の母を真正面からきちんと見たのは、実に数年ぶりでした。
少し老けたようにも見えましたが、優しい目元は全く変わっていませんでした。

今までごめんなさい

母は昔から、A子さんが辛い時にはココアを作って、ゆっくり話を聞いてくれていました。
その都度「あんたは私の宝物や」という言葉を、何度も何度も言っていたのを鮮明に覚えています。

いつ、どんな時でも、ずっと母は優しかったのです。
その日母に作ってもらったココアは、母の前で飲むと泣きそうだったので、部屋で一人泣きながら飲み干しました。

その時「自分が今まで何をしてきたのか」と、恥ずかしい気持ちと後悔でいっぱいになったA子さんも、現在は結婚し二児の母に。
親になり、母の偉大さと寛容さ、そして温かさを改めて感じました。母には一生勝てそうにもありません。
これからずっと親孝行をしていきたいと思っています。

【体験者:30代・OL、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。

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