今回は、友人のA子さんに聞いた、保育園での思わぬトラブルに巻き込まれた息子さんと、それに対するA子さんの葛藤と成長のお話をご紹介します。無邪気な子ども同士の関係が、“親の関与”によってこじれてしまった体験です。
画像: 「ママのせいで嫌われた!」保育園で絶叫する息子に、ショック! 子どものトラブルに、親が動いた結果

仲良しのお友達と突然の距離

うちの息子は年中クラスで、保育園では毎日元気いっぱい。特にBくんというお友達とはとても仲が良く、「今日もBくんと遊んだよ!」とうれしそうに話してくれるのが日課でした。

けれどある日、「今日、Bくんと遊べなかった」とポツリ。
その翌日も同じような様子で、ついには「Bくんに“あっち行って”って言われた」と泣きながら訴えてきました。

「子ども同士、ちょっとしたすれ違いもあるだろう」とは思ったものの、息子のしょんぼりした顔が数日続いたことで、私は心配になり始めました。

先生への相談が思わぬ方向へ

ある日、子どもの些細な変化でも共有しておきたいという思いから、連絡帳に、「最近、Bくんとの様子が少し気になっています」とだけ書き添えました。

するとその日の夕方、担任の先生からすぐに電話があったのです。

「実は、Bくんのママも、最近Aくんとあまり遊んでないようだけど、何かあったのかしら? と気にされていて……」と先生は切り出し、続けて「もし差し支えなければ、A子さんが抱えている不安もBくんママにお伝えしてもよろしいでしょうか」と尋ねられました。私は、お互いの親が子どもの様子を気にしているのであれば、情報を共有することで何か良い方向に向かうかもしれないと思い、「はい、構いません」とお伝えしました。

先生は丁寧に説明してくれたようですが、なぜかBくんママは「A子さんにうちの子のことで苦情を言われた」と決めつけてしまったようでした。
残念ながら、私たちの意図とは裏腹に、話は思わぬ方向へ進んでしまったようです。
後日、園で会ったBくんママは、私とは明らかに距離を置くようになり、お互いに気まずい空気になってしまいました。

その日以降、Bくんはますます息子に距離を置くようになってしまい、息子は完全に元気をなくしていきました。

息子の言葉

そしてある朝、登園の途中で突然、「ママのせいで、Bくんに嫌われた!」と叫んだのです。

周囲の保護者の視線が一斉に集まり、私は顔が真っ赤になるほど恥ずかしく、情けなく、そして何より、息子にそんな思いをさせてしまった自分に本当に悔しくなりました。

きっと、子どもながらに何かを感じ取っていたんだと思います。

家に帰ってから、私は息子に静かに話しかけました。

「ごめんね、でもママはずっとAの味方だし、応援しているよ。Bくんとも、他のお友達とも、また楽しく遊べる日が来るように、ママも願っているからね」

息子はしばらく無言でしたが、うなずいたように見えました。

それからの日々、私はあえて余計なことは言わず、息子の様子を少し離れたところから見守るように心がけました。すると少しずつ、息子が他の友達と遊ぶようになり、笑顔も戻っていきました。

今振り返ると、BくんにもBくんなりの複雑な気持ちや、私には知りえない事情があったのかもしれません。Bくんとは以前のような距離感には戻れなかったけれど、それでも息子なりに新しい関係を築いていこうとしているのが伝わってきて、私はほっとしました。

子育ての難しさ

今回の出来事を通じて、親がどこまで関わるかはとても難しいと感じました。

もちろん、子どもに何か困ったことがあれば、保育園の先生に相談することは大切なコミュニケーションだと思います。一方で、こちらの意図が誤解されたり、予期せぬ結果を招いたりすることもあるという子育ての難しさを痛感しました。どのようなプロセスを踏めば周りともっとスムーズに連携できるのか、どこまで口を出すのが子どものためになるのか、いまだに正解が見つからずに悩む日々です。それでも、今回の苦い経験も糧として、親としてやるべきことを見極めながら、子どもの成長を支えていきたいと思っています。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.