小学生が長期休みの前に持ち帰るお道具箱。いつのだか分からないプリント、ボキボキに折れたクレヨン、消しカスを練った謎の黒い球体……。毎回楽しませてもらっていますが、今回は一味違いました。筆者の体験談です。
画像: 娘が持ち帰ってきた“お道具箱”の中身に「ひえぇッ(怖)」→ 娘「ごめんなさい」『思わぬ言い分』が!

道具箱開封の儀

娘の小学校では、夏休み、冬休みなどの長期休みの前にお道具箱を持ち帰ります。

長期休みの間に中身を確認し、整理整頓や不足しているものを各自補充するためです。

ある年の夏休み、そろそろ中を確認しておくか、とお道具箱のふたを開けました。

ハサミ、のり、クレヨン、コンパスなど意外にも整頓されていたのですが、よく見るとところどころに茶色の塊がぎゅっと押し込まれているのが目に入りました。

(? これ、なんだろ?)

つまみ上げると、それは......。

歴代随一

カッピカピでカッチカチになったパンのかけらでした。

「ヒィィッ!!」

驚いて思わず放り投げてしまいましたが、おそらく給食で出されたパンでしょう。

娘は幼い時から食が細く、食べ終わるのも時間がかかる子です。
先生にもその旨をお伝えしていました。

娘は時間内にどうしても食べきることが出来なかった時に、お道具箱の中にパンを隠していたようです。

このことを娘に確認すると、しょんぼりした様子で話し始めました。
「ごめんなさい」

お腹がいっぱいでどうしても食べられなかった、食べきらないと先生に怒られると思った、とのことです。

食べ物は道具箱でなく胃袋へ

私は
「お腹がいっぱいで苦しいのは分かるけど、食べきることが出来なかったら隠さずに先生に言おう、食べ物を粗末に扱うのはよくないよ」
と娘に伝えました。

それ以降、お道具箱の中にカピカピのパンを目にすることはなくなりましたが、ふたを開ける時は毎回ちょっと緊張してしまいます。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:田辺詩織
元医療事務、コールセンター勤務の経験を持つ在宅ワーカー。文学部出身で、文章の力で人々を励ましたいという思いからライターの道へ。自身の出産を機に、育児ブログを立ち上げ、その経験を生かして執筆活動を開始。義実家や夫、ママ友との関係、乳幼児期から中学受験まで多岐にわたる子育ての悩みに寄り添い、読者が前向きになれるような記事を届けている。

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