花火大会は夏の風物詩ですが、ゆっくり鑑賞したくても人が多すぎたり、暑さにやられたりとなかなか大変なこともあります。お家の窓からゆっくり見られたらと思う人もいるのでは? 今回は花火がきれいに見える家に住んでいる筆者の知人Fさんが経験したとあるトラブルをご紹介します。
画像: 「あなたの家で花火見たい!」ママ友親子に頼まれ家に招くも → 『価値観のすれ違い』にゲンナリ

花火大会の日に

Fさんは当時地元の花火大会の打ち上げ花火がよく見えるマンションに住んでいました。

毎年花火大会の日は家族ぐるみで仲の良い数人のママ友家族を呼び、ワイワイとパーティーをしながら一緒に花火を見るのが恒例行事。

Fさんは家に人を招くのが好きなので、ママ友が友達家族を連れてきていつのまにか大人数になることもありました。

花火が窓からキレイに見えるのはもちろん、飲み物、食べ物は各自持ち寄りなので、ママ友たちは皆腕をふるってご馳走を持ち寄り、かなり豪華で美味しいものが食べられるというのもお楽しみのひとつでした。

そんなある年、どこから聞いたのか、子どもが同じクラスではあるもののあまり親交のないママ友のKさんが突然、Fさんの家で花火を見たいと言ってきたのです。
「いいよ、ご家族連れてきてー」
たまには新メンバーを呼ぶのも楽しいかもと思い、Fさんはそのママ友に「飲み物や食べ物は、いつものように皆で持ち寄る形にしているんだけど、それでも大丈夫?」と、念のため伝えたのでした。

あるママ友を呼んだら……

そして花火大会当日。
「わあ。素敵なおうち!」
2人の子どもを連れてやってきたKさんは、Fさんの部屋にきて歓声を上げました。
「ゆっくりしていってね、ご飯とドリンクは好きなものとって……」
そう言いかけてKさんの手元を見たFさんはビックリ。

なんとKさんは缶ジュース数本と、自分たちの分のコンビニ弁当だけ持ってきていたのです。自分の伝え方が悪かったかと思い、とりあえずKさん家族にテーブルについてもらいました。
「わあ、いただきまーす!!」
Kさんと子どもたちは、他のママ友たちが持ってきたご馳走に大はしゃぎ。コンビニ弁当はそっちのけで他のママ友が持ってきた料理をパクパクと口に運びます。

「おばさんジュースちょうだい!」
Kさんの子どもはFさんの家の冷蔵庫を遠慮なく開けて、ジュースを出して飲んだり他のママ友たちが持ってきたお菓子を食べたりとかなり自由な様子でした。

間もなく花火の打ち上げが始まりましたが、Kさんと子どもたちは花火よりもご馳走とお菓子に夢中でした。

「ねえ、花火見ないの?」
そう聞かれても食べることに夢中で、おしゃべりにも参加しないため、他のママ友たちもどう接していいかわからない様子。

微妙な空気の中で花火大会は終了し、解散する流れになってFさんはほっとひと安心。
しかし最後にKさんは何故か持参していた保存容器を取り出し、「残ったらもったいないから!」と残った料理を詰めはじめました。

Fさんは、Kさんが食事を主目的に来ているように感じた、と話していました。そのため、Kさんから次の年の花火大会にも家に行きたいと言われても、さすがに断ったそうです。

せっかくの花火大会なのに、花火よりも食事に夢中だったというのは、少し残念に感じるかもしれません。皆が気持ちよく過ごすためには、事前のコミュニケーションが大切だと改めて感じさせられた出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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