今回は、知人のA子さんにお聞きしたエピソードをご紹介します。
将来の夢について語る息子さんに、「お母さんの夢は?」と聞かれたA子さん。
母親であることに夢中で、自分の未来を考えることさえ忘れていたことに気づかされます。
息子さんの一言で、人生がもっと楽しくなったとのことです。
画像: 「お母さん、将来の夢は?」「えっ」言葉を失った私。「だってさ──」息子に教わった『生き方のお手本』

子どもの夢にワクワク

ある日、小学生の息子にこんな宿題が出されました。
「将来の夢について、作文を書きましょう」

夕食後のリビングで作文用紙と向き合いながら、
「うーん、サッカー選手かな~。あ、でも漫画家も楽しそう! 迷う~!」
と悩む息子はなんだか楽しそう。

目を輝かせながら将来の自分を想像する姿は無邪気で、見ているこちらまでワクワクとしてきます。
この子は将来、どんな学校に通って、どんな人になるんだろう。
どんな夢を追いかけて、どんな人生をを歩むのかな。
親としては、どういった進路であれ、全力で応援していきたい――。

「お母さんの夢は?」

しみじみとしていると、突然息子がこちらを振り返り、言いました。
「ねえ、お母さんは将来何になりたいの?」

「えっ、お母さんはもう大人だから……」
思わぬ質問に、返事に困ってしまう私。

息子はキョトンとした顔で、こう続けました。
「大人だって、将来はあるでしょ? まだまだ何十年も生きるんだもん。お母さんの夢を教えてよ」

その言葉に、私はハッとさせられた気がしました。

大人だって、夢を持とう

いつからだろう。
「夢」なんて、考えなくなっていたのは。
日々の家事や育児に追われて、自分の時間なんてほんのわずか。
いつしか私は、「母親」であることだけが自分のすべてになっていたようです。

だけど、たしかに――。
息子が大きくなったあとだって、私の人生はまだまだ続いていく。

やってみたかったこと、叶えてみたかったこと、本当はたくさんあったことを思い出しました。
心のどこかで「もう大人だから、夢なんて……」と蓋をしていた自分に気づいた瞬間でした。

親として、ひとりの人間として

「お母さんね、パン作りが好きだから、いつかパン屋さんをやってみたいなぁ」
そう言うと、息子は「それ、いいじゃん!」と笑ってくれました。
「お母さんのパン、美味しいもんね。僕も好きなことが上手になれるように、頑張る!」

子どもの未来を思うことはもちろん大切。
でも、自分の未来にも目を向けていいんですよね。
息子にとっても、親である私の生き方は、きっとひとつの「お手本」になるはず。
だったら、自分の未来にワクワクしながら前に進む姿を、息子に見せられる母親でありたい。
息子から、大切なことを教わった気がします。

さあて、明日の朝は、焼き立てのパンの香りで起こしてあげよう。

【体験者:40代女性・専業主婦、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。

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