息子が不登校になったとき、筆者は暗いトンネルの中に放り出されたような気持ちになりました。子どもへの対応や将来への不安……でも、そんな手探りの状態の中でも、息子は少しずつ成長していたようです。
画像: 先生「息子さん、変わられたんですね」学校に行けなかった息子が、悩める生徒に『笑顔でかけた言葉』

不登校

私の息子は、小学校3年生の2学期から卒業まで、学校へ行くことができませんでした。
原因はいじめ。
学校・教育委員会・加害者児童の保護者……さまざまな方面との話し合いを重ねたものの、事態は改善されず、息子は卒業を迎えてしまいました。

「中学校にも行けないだろう」と私たち夫婦は思っていたのですが、フリースクールの先生の提案で別学区の中学へ通うことにした息子。
すると、今までの時間を取り戻すかのように登校し、部活にも入部して元気を取り戻すことができたのです。

面談

1年生の冬休みのこと。
私はお世話になっている担任の先生と話をする機会がありました。
先生は息子の不登校を理解した上で、サポートを続けてくれている存在でした。

すると、先生が突然「お母さん、人って変われるんですねぇ」と言い出したのです。
何かと思って話を聞くと、息子と同じクラスに部活動のトラブルが原因で、不登校になってしまった女子生徒がいるとのこと。
完全な不登校になる前、保健室登校をしていたときに息子がその女の子にかけた言葉に先生は感動したと話してくれました。

言葉

息子はその子に対して「焦らなくても大丈夫だよ。俺も学校に行かなかった時期があったけど、今生きてるし!」と言ったというのです。
先生はその様子を見ていて、思わず「いいな! そうだよな!」と声をかけたとか。

すると息子は「長い人生、少しぐらい寄り道したって大丈夫だってフリースクールの先生が言ってました!」とニコッと笑って答えたそうです。

先生が言うには、その女子生徒は不登校になってしまったものの、息子とはLINEで繋がっていて、学校の様子やら行事のことなどを息子が伝えているとか。
何も知らなかった私は驚きましたが、先生の言うように「変われたんだなぁ」と実感しました。

学び

行くはずの学校へ行けない状態……不登校の期間は、息子なりに苦しい時期だったのでしょう。
そんなとき、フリースクールの先生がかけてくれた言葉に救われたんだろうと思います。

それを学びとして消化し、友達に伝えることができた息子。
まだまだ子どもだと思っていましたが、少しずつ成長しているんだなと嬉しく感じた出来事でした。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2025年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.