今回は、筆者が近所のスーパーで出会った“謎のマダム”の話です。気さくで上品に見えたその人が放ったひと言に絶句。思いがけない目的が明らかになったとき、背筋にひやりとした感覚が走りました。
画像: カート置き場で「100円玉をいただけるかしら」上品なマダムからの要求 → その『驚きの正体』にゾッ

感じのいい常連マダム

私が通う近所のスーパーは、価格も手頃で通路も広く、いつも賑わっています。

カートは100円玉を入れて使うロック式。そんなカート置き場で、ひときわ目立つ上品なマダムを見かけました。

いつも誰かと楽しげに会話していて、感じのいい人だなと目を引きました。
地元の常連さんかな。そんなふうに思いながら、私は少しずつ存在が気になっていったのです。

マダムからのお願いごと

ある日、買い物を終えてカートを返そうとした私に、あのマダムが笑顔で話しかけてきました。

「あたくし、お札しか持ちませんの。あなたの使い終わった100円玉、ちょっといただけないかしら?」

あまりの図々しさに絶句しましたが、まさかそんなことを言われるとは思わず、とっさに言葉が出ませんでした。その場の空気に流されるように渡してしまいました。

しかし後日、また同じセリフを言われて、

「人からもらうのはおかしいですよ、両替機を使ってください」とやんわり断りました。

するとマダムは顔色ひとつ変えず、「まぁ、ケチな貧乏人ね」とにこやかに言い放ったのです。

堂々たる“マダム”

後からじわじわ腹が立ったものの、その日以来、私のことを“貧乏人”と認定したのか、マダムは一切話しかけてこなくなりました。

少し気まずさを感じながらも、内心ではほっとしていたのも事実です。

そんなある日、スーパーの入口近くに「不審者の声かけにご注意」というポスターが掲示されていました。

目を向けると、目の前に立っていたのは、まさにあのマダム。

堂々たる姿に恐怖すら感じて、「うそでしょ」と声が出そうになりました。

また、いるよ!

お気に入りのスーパーなのに、癖が強すぎる常連のせいで、心がざわつくようになりました。

「あぁ、もう会いたくない」そう思いながら、また今日もいるよと、ため息をついてしまいます。

それでも私は、あえて満面の笑顔で100円マダムに「こんにちは」とあいさつして、カート置き場へ向かい、ネガティブな感情に引きずられないようにしています。

【体験者:40代・フリーランス、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:神野まみ
フリーランスのWEBライター・コラムニスト。地域情報誌や女性向けWEBメディアでの執筆経験を活かし、医療・健康、人間関係のコラム、マーケティングなど幅広い分野で活動している。家族やママ友のトラブル経験を原点とし、「誰にも言えない本音を届けたい」という想いで執筆を開始。実体験をもとにしたフィールドワークやヒアリング、SNSや専門家取材、公的機関の情報などを通じて信頼性の高い情報源からリアルな声を集めている。女性向けメディアで連載や寄稿を行い、noteでは実話をもとにしたコラムやストーリーを発信中。

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