人との距離感って、本当に難しいものですよね。親しい間柄だからこそ許されることもあれば、逆に親しいからこそ、守らなければいけない一線もあるのではないでしょうか。今回は筆者の友人のエピソードをご紹介します。
画像: 彼との思い出の指輪を「もう古いからいいでしょ?」勝手にはめた友人。続く『衝撃行動』に「絶対に許せん」

かけがえのない、ふたつの宝物

付き合って3年目の誕生日、彼から指輪をもらいました。
シンプルで洗練されたその指輪は、彼のまっすぐな想いが伝わってくるようで、私のお守りのような存在でした。

それから2年後、ついにプロポーズされ、今度はダイヤが輝く婚約指輪を受け取りました。
もちろん返事はOK! 私たちは来春結婚することに。

ふたつの指輪は、どちらも彼との歴史が詰まった、かけがえのない宝物でした。

無邪気な好奇心

高校時代からの友人であるM美に婚約の報告をすると、後日、お祝いがてら私の家に遊びに来てくれました。

お調子者でノリのいいM美は、部屋に入るなり「ねぇねぇ、指輪みせて! 両方とも!」と目を輝かせて催促。

自慢するつもりはなかったのですが、あまりの勢いに押されて、私はケースに入れたままふたつの指輪をテーブルに置きました。

その直後、注文していたピザが届いたため、私は受け取りに玄関へ。
部屋に戻ると、M美はご機嫌な様子でスマホをいじっているところでした。

そのときは、まさかあんなことになっているとは夢にも思いませんでした。

SNSで目にした、信じられない光景

その夜、何気なくインスタを開いた私は、文字通り凍りつきました。

M美の投稿に、2つの指輪の写真と私が誕生日にもらったほうの指輪を左手薬指にはめた彼女の姿があったのです。

しかも、《#大切な人から》《#愛の証》というタグと共に「これからもよろしくね♡」との一文まで。

コメント欄には「結婚おめでとう!」のコメントが相次いでいました。

震える手でM美に連絡すると、「え〜、冗談だって! あの指輪、古いやつでしょ? そんなに怒らないでよ〜」と返信が。

あまりの言い分に、言葉が出ませんでした。

境界線を越えた代償

M美はその後、コメント欄で「実はこの指輪、友達のでした〜!」と“種明かし”をしましたが、フォロワーたちの反応は一変。

「それって完全にアウトでは?」「さすがにないわ」と、今度は“いいね”よりも、“引いた”という声が並んだのです。

物の価値は新しいか古いかではありません。
私にとっては、彼との思い出が詰まった、婚約指輪と同じくらい大切な指輪だったのに……。

M美の投稿は削除されましたが、私の心についた傷は消えず、それ以来、彼女とは会っていません。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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