子どもが新しい環境に飛び込むとき、親としてつい心配してしまうものです。
「友だちとうまくやれるだろうか」「嫌なことを言われて落ち込まないだろうか」
頭の中ではわかっていても、不安はつきません。
これは、そんな「心配性」な親である筆者の知人A子が体験した出来事です。
画像: 「キモい」と言われた小1娘が動いた!「え? 私の、、、」心配性の母が拍子抜けした【予想外の反撃】

不安ばかりが先に立つ、新生活の始まり

春から新しい土地での生活が始まりました。娘は小学1年生。ピカピカのランドセルを背負って学校へ向かう小さな背中を見送るたび、私の胸には不安ばかりが積もっていきます。

「ちゃんと友達、できるかな……」

家ではおとなしいタイプ。歌や絵を1人で楽しむことが多い。でも学校はそんなに簡単じゃない。もし嫌なことを言われたり、されたりしたらこの子は固まってしまうんじゃないか。

そんな想像ばかりが膨らみ、「心配しすぎかな」と思いながらも止められないのです。

突然の電話と、膨らむ不安

そんなある日、担任の先生から電話がかかってきました。
「娘さん、クラスのB子さんに『キモい』って言われたみたいなんです」

胸がズンと重くなりました。その子は他の子にも同じことを言って、困る様子を見て楽しむようなタイプらしいのです。泣いちゃったかな。言い返せなかったんだろうな……。

私がそばにいればよかった。気がつけば頭の中で母親としての反省会が始まっていました。

「このまま意地悪のターゲットになってしまうんじゃないか」
不安は膨らむばかり。心配ばかりが止まらなかったのです。

まさかの反撃に、思わず拍子抜け

ところが、先生は続けました。
「娘さん、大きな声で『え? 私のどこが? なんでそう思ったの? 教えてよ!』って返したんです」

思わず耳を疑いました。
「え、それ……うちの子が?」

泣くだけだと決めつけていた私。予想外でした。しかも怒っていたわけじゃなく、本気で理由が知りたかっただけだというのです。

B子は、思わぬ切り返しにしどろもどろになり、最後は何も言えずにその場を離れていったそう。

娘は娘のやり方で、世界に向き合っていた

帰宅した娘に聞いてみたところ、どうしてそんなことを言うのか「ちゃんと知りたかっただけ」と。
あんなに心配していたのに、なんだか拍子抜け。でもそれが何よりうれしくて、私はこっそり笑いました。

「大丈夫。案外、私よりずっとしっかりしてるかもしれない」
そのとき初めて、肩の力がふっと抜けたのです。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。

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