筆者の友人Aさんから聞いたお話です。
4歳の娘Rちゃんは、家に帰るたびに癇癪を起こし、大声で泣いたりわがままを言ったりして手がつけられない状態が続いていました。
母親のAさんは、「幼稚園ではいい子でいなきゃダメよ」「わがままを言うと嫌われちゃうよ」と毎日のように叱っていたそうです。
しかし、ある日幼稚園の先生から思いがけない言葉をかけられたことで、Aさんの子育てへの向き合い方が大きく変わっていきます。
画像: 4歳娘の癇癪が止まらず叱り続けた日々 → 幼稚園での“本当の姿”を知り、母が【思わず謝った理由】

毎日の癇癪にため息

「また今日も……」
幼稚園から帰ってきた娘のRちゃんは、毎日のように癇癪を起こして泣きわめき、わがままを言い出します。
母親のAさんは、そんな娘に

「幼稚園では先生の迷惑にならないようにね」
「わがままを言ったらお友達に嫌われちゃうよ」

と、毎日繰り返し注意していました。気づけば家の中はいつもピリピリムードで、叱ることが日課に。Aさん自身も疲れ切っていました。

幼稚園では“とってもいい子”?

ある日、「幼稚園でも迷惑をかけているに違いない」と思ったAさんは、先生に思い切ってこう伝えました。

「もしわがままを言ったり癇癪を起こしたら、遠慮なく叱ってください」

しかし、返ってきたのは意外な言葉。

「Rちゃんは癇癪もわがままも全くありませんよ。とってもいい子です」

思わず、家庭での様子を先生に話すと、先生は優しく言いました。

“家では甘えているだけですよ”

「Rちゃん、幼稚園で一生懸命いい子でいようと頑張ってるんですね。
おうちでは安心して甘えたり、本音を出しているのかもしれませんね」

その言葉にAさんはハッとしました。
もしかすると、“いい子でいなさい”と無意識のうちにプレッシャーをかけていたのは、自分だったのでは――。

さらに先生は続けました。

「無理をさせるよりも、ありのままでいられることが一番大切です。
“そのままでいいんだよ”と、ぜひおうちでも伝えてあげてくださいね」

“そのままでいいんだよ”のひと言で

その夜、Aさんは先生の言葉をそのまま娘に伝えました。

「頑張らなくてもいいんだよ。ママはRちゃんのままでいいと思ってるよ」

すると、娘はニコッと安心したような笑顔を見せてくれたのです。

それから少しずつ、Rちゃんの癇癪は落ち着き、家の中にも笑顔が増えていきました。
先生からも「最近、Rちゃんが幼稚園でよく笑うようになりました」と嬉しい報告が。

子どもには、安心できる居場所を

「いい子でいてほしい」と思うのは、親として自然な願い。
でもその裏で、子どもがどれほど頑張っているかに気づけないこともある。

この話を聞いて、私も自分の子どもに無理をさせていないか考え直しました。
子どもがどんな姿でも、まずはそのままを受け止められる親でいたい。
そう思わせてくれる、心に残るエピソードでした。

【体験者:40代・主婦、回答時期:2025年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:北田怜子
経理事務・営業事務・百貨店販売などを経て、現在はWEBライターとして活動中。出産をきっかけに「家事や育児と両立しながら、自宅でできる仕事を」と考え、ライターの道へ。自身の経験を活かしながら幅広く情報収集を行い、リアルで共感を呼ぶ記事執筆を心がけている。子育て・恋愛・美容を中心に、女性の毎日に寄り添う記事を多数執筆。複数のメディアや自身のSNSでも積極的に情報を発信している。

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