今回は、友人のB子さんに聞いた、夫との関係にもう一度向き合えた感動のエピソードをご紹介します。すれ違いが続いていた夫婦生活。けれど、ある晩、夫の本音を知った瞬間、B子さんの心は大きく動かされたといいます。
画像: 夫婦の会話は「業務連絡」だけ──ある日、夫から渡された『紙袋』その中身と夫の本音に「心が震えた」

すれ違いの日々

結婚して8年。最初は何でも笑い合えていたのに、子供が生まれてからは、私と夫はまるで「業務連絡」だけの関係になっていました。朝は「いってきます」、夜は「ただいま」と言うだけ。会話らしい会話なんて、何カ月もなかった気がします。
「あなたは、家に帰ってきてもスマホばかりじゃない」
「そっちだって、子供とばかりで俺に目もくれないくせに」
喧嘩すら、最近はしなくなっていました。怒る気力すら、お互いに失っていたんだと思います。

忘れられた記念日

そんなある日、結婚記念日を私はすっかり忘れていました。夫も当然、覚えていないだろうと思い込んでいたのです。
夕飯の支度をしていると、玄関が開く音。いつもより少しだけ早い帰宅でした。無言でリビングに入ってきた夫の手には、小さな紙袋。
「なにそれ?」と聞くと、夫は不器用に袋を差し出しました。
私は言葉を失いました。結婚記念日を覚えてくれていたことに、驚きました。なにより、まだ“夫婦”を意識してくれていたことに。

初めて知った夫の想い

ふたりでケーキを食べるのは、何年ぶりだったでしょうか。息子は先に寝ていて、久しぶりに夫婦だけの時間でした。
夫がぽつりと話し出しました。
「最近、家に帰ってきても空気みたいでさ……正直、辛かった。でも、それでも帰ってくるのは、お前と息子がいるからなんだよ。ここが、俺の帰る場所だから」
胸がぎゅっとなりました。夫だって、寂しかったんだ。私と同じように、不安で、孤独だったんだ。

もう一度、手を取り合うために

その夜、私は心から「ありがとう」と言いました。たったそれだけの言葉が、夫の表情を緩ませてくれました。
小さなケーキが、私たち夫婦をもう一度近づけてくれた。完璧じゃなくていい。お互いを思いやり、同じ方向を向いていられれば、それでいい。
忘れかけていたぬくもりを、もう一度、大切にしようと思いました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

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