妊娠中は、つわりや体の変化もありますし、普段はなんでもないことでも体調によって辛かったりしますよね。そんな時に優しくしてもらえると、本当にホッとするものです。今回は、筆者の友人の体験談をご紹介します。
画像: 妊婦の私に「元気そうだから、席譲らなくていいよな?(笑)」→ 年配女性が放った『ひと言』にスカッと

優先席の前で

妊娠6ヶ月のある日、私はマタニティマークをつけて電車に乗っていました。
お腹も少し目立ってきた頃で、立っているのがつらいわけではないものの、混み合う車内ではやはり不安がありました。

特に、この路線は揺れが強く、転びそうになることもしばしば……。
だから、優先席の前に立ちつつ「もし空いたら座れるかな」と思っていたのです。

私の目の前の優先席には、中年の男性2人組が座っており、こちらを見て何やら笑っていました。

まさかのひと言

しばらくして、男性のうちの1人が、隣の席の男性と顔を見合わせながら、半ば冗談めかして言いました。

「妊婦さんだけど元気そうだから、席譲らなくていいよな~?」

瞬間、頭が真っ白になりました。

何か言い返せればよかったのかもしれませんが、トラブルになるのも怖くて、私はただ苦笑してその場をやり過ごすしかありませんでした。

周囲の人たちも、こちらをチラチラと見ています。

救世主現る!

その気まずい空気を打ち破ったのは、近くにいた年配の女性でした。
女性は、落ち着いた口調で、しかしはっきりとこう言ってくれたのです。

「元気かどうかじゃなくて、妊婦さんが転んだりしたら大変だから、譲ってあげるのよ」

その瞬間、車内の空気がピンと張り詰めました。

男性たちはバツが悪そうに視線をそらし、そのうちの1人が無言で立ち上がり、私に席を譲ってくれました。

言葉の力に救われて

確かに私は、トラブルもなく、比較的元気な妊婦でした。
しかし、見た目だけでは分からない辛さを抱えている妊婦さんもいるはずです。

もしかしたら、あの男性たちは悪気があったわけではなく、ただ軽い冗談のつもりだったのかもしれません。
でも、あの時の年配の女性の言葉は、本当にありがたかったのです。
見た目で判断せず、困っている人や助けが必要な人に手を差し伸べることの大切さを改めて感じました。

私もあの女性のように、声をかけられる人でありたいと思っています。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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