今回は、友人A子が経験した、息子の幼稚園でのある出来事をご紹介します。甘えん坊だった息子が自立していく姿に、喜びと切なさが交錯した“親としての転機”を描いた物語です。
画像: 「ママ、もう迎えに来ないで」「えっ」登園拒否で泣いていた息子 → 突然の心変わりに母、衝撃

泣き虫だったあの子が

息子のF太が幼稚園に入ったばかりのころ、毎朝の登園はまるで戦いでした。
「ママがいい! ママといたい!」と玄関で泣き、先生に抱えられて中へ。
私も涙をこらえながら、「頑張れ」と心で祈る毎日でした。
周りの子たちが少しずつ園に慣れていく中、F太はずっと「ママと一緒がいい」と言い続けていて、私は正直、焦りを感じていました。

突然の“変化”

そんなある日。
「今日ね、バスで行きたいの。ママ、来ないで」
突然のF太の言葉に、私は耳を疑いました。
どうやらお友だちとバスに乗りたい気持ちが芽生えたようで、先生にも「F太くん、今日はすごく自分から動いてましたよ」と言われたんです。
私は驚きながらも、嬉しさと少しの寂しさが入り混じるような、複雑な気持ちになりました。

バスに手を振る朝

次の日、私は家の前でバスを待ち、F太を乗せました。
いつも私の足にしがみついていたF太が、先生に手を引かれてバスに乗り込み、こっちを見てにっこりと笑いながら、「いってきまーす!」
その瞬間、私はこらえていた涙があふれました。成長って、こんなふうに静かに訪れるんですね。

離れることが、信じること

子どもが親から離れていくのは、寂しい。
でもそれは、ちゃんと育っている証拠なんですよね。

F太が笑顔でバスに乗っていった朝、私はようやく「子どもを信じて待つ」ことの意味を知った気がしました。

そして今も、彼が「ただいま」と帰ってくるたび、その一歩一歩を心から応援したいと思える自分がいます。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:池田みのり
SNS運用代行の職を通じて、常にユーザー目線で物事を考える傍ら、子育て世代に役立つ情報の少なさを痛感。育児と仕事に奮闘するママたちに参考になる情報を発信すべく、自らの経験で得たリアルな悲喜こもごもを伝えたいとライター業をスタート。

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