子どもの気持ちは、一緒に生活している親でもわからないことがあります。筆者の友人・K代は息子のことを思って再婚しましたが、どうやら息子の気持ちは違ったようです。K代のエピソードをご紹介しましょう。
画像: 離婚 → 再婚をした私に「あの時、寂しくはなかったけど──」息子の『本音』に「考えさせられた」

再婚

私は息子が1歳のときに離婚。
シングルマザーとして息子と2人で生活をしていたのですが、職場で知り合った男性と息子が10歳のときに再婚をしました。

再婚相手は息子のことをとても可愛がってくれて、再婚後の生活も順調でした。しかし息子が高校生になった頃、息子と夫の関係が何となくおかしくなってきたのです。
それでも息子は私とは普通に接していたため、「年頃だから父親と話しにくいのかな」くらいに思っていました。

晩酌

その後、夫の浮気が判明し、私は再度離婚することに。
今回の離婚は2回目ということもあって、かなり話し合いを重ねたのですが、一度入った亀裂は修復できず、また息子と2人の生活が戻ってきました。

そして息子が成人式を迎えた時、私は長年の夢だった『息子との晩酌』をしたのですが、そのときに息子から飛び出た本音に驚かされました。
私が「お母さんは結婚に向かないのかもね。振り回してゴメンね。嫌な思いも寂しい思いもさせちゃったよね」というと、息子は「別に寂しくはなかったけど、お母さんが俺のために再婚したのかなってずっと気になってた。小さい頃お父さんが欲しいとか言ってたから」と言ったのです。

過ち

それは確かに図星でした。
私は「男の子だから父親が必要かもしれない」と息子のことを考えて再婚したのですが、どうやらそれは必要のないことだったようです。

「お母さんと2人でも生活できてたのに、お父さんと揉めて離婚することになって、お母さん疲れたでしょ?」

私は自分で思っていた以上に、ずっと息子に心配をかけていたことに気付きました。
「今だから言えるけど、あのまま2人だけの方が楽しかったのかもしれないね」と自分の過ちを認めて、息子に謝りました。

息子は笑っていましたが、思いがけない息子の本音を聞いた私。
子どものためと思って再婚したけれど、結果的には間違った考えだったと思っています。
2人でしっかりと生活していく選択肢もあったのにと考えさせられました。

【体験者:50代女性・会社員、回答時期:2025年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.